もしも台風や大雨が来たら?家族の安全を守るための準備と行動
台風や大雨、あなたの家族は大丈夫ですか?
日本には地震が多いことを知っている方は多いと思いますが、実は、台風や大雨による災害もたくさん起こります。強い風で家が壊れたり、雨で土地が崩れたり(土砂災害)、街が水浸しになったり(洪水)することがあります。
特に、小さなお子さんやお年寄りがいるご家族は、台風や大雨が来る前に準備をしておくこと、そして、正しい情報をもとに行動することがとても大切です。家族みんなの安全を守るために、今からできることを一緒に確認していきましょう。
台風や大雨が来る前に、家族でできる準備
台風や大雨は、地震と違って、ある程度予測することができます。予報が出たら、早めに準備を始めることが大切です。
1. 家の外を点検・片付けましょう
- 強い風で飛ばされる可能性があるものを、家の中に入れるか、しっかりと固定してください。
- 植木鉢(うえきばち)
- 物干し竿(ものほしざお)
- 自転車
- ゴミ箱 など
- 雨水を流すための排水溝(はいすいこう)や雨どい(あまどい)に、ゴミや落ち葉がたまっていないか確認し、掃除しましょう。ここが詰まると、水があふれて家の中に入ってくることがあります。
2. 家の中の安全対策をしましょう
- 窓ガラスが割れないように対策します。
- 雨戸(あまど)やシャッターがある場合は閉めてください。
- 窓ガラスに飛散防止フィルム(ひさんぼうしフィルム)を貼ったり、厚いカーテンを閉めたりすることも有効です。段ボールを窓に貼る方法もあります。
- 停電(ていでん)に備えて、懐中電灯(かいちゅうでんとう)やモバイルバッテリーを準備し、充電しておきましょう。
- もしもの時に持ち出す「非常用持ち出し袋」をもう一度確認しましょう。水害では、水に濡れないように対策することも大切です。
3. 家族みんなで避難について話し合いましょう
- お住まいの地域のハザードマップを確認してください。ハザードマップには、洪水や土砂災害の危険がある場所、そして近くの避難場所(ひなんじょ)が書いてあります。
- 区役所や市役所のウェブサイトで見ることができます。「〇〇市 ハザードマップ」と検索してみてください。
- ハザードマップを見て、家や家族がよく行く場所(学校、職場など)にどんな危険があるか、家族みんなで共有しましょう。
- どこに避難するか、家族で事前に決めておきましょう。
- 指定された避難場所
- 安全な場所にある親戚や友人の家 など
- 避難場所までの安全なルートを複数考えておきましょう。大雨の時は、いつも通る道が危険になることもあります。
- 家族が離れているときに台風や大雨になった場合、どうやって連絡を取り合うか、どこで会うか(集合場所)も決めておきましょう。これは地震の時と同じように大切です。
4. 子供や高齢者と防災について話しましょう
- 小さなお子さんには、絵や図を見せながら、台風や大雨は怖いものではないけれど、安全のためにどうすれば良いかを優しく伝えてください。「風が強いときは外に出ない」「水が深いところは歩かない」など、具体的な行動を教えましょう。
- お年寄りがいる場合は、避難する時に手助けが必要か、どのような情報伝達方法が良いか(テレビが良いか、ラジオが良いかなど)を確認しておきましょう。
台風や大雨が発生したら、家族で気をつけること・行動すること
台風や大雨の予報が出たら、テレビやラジオ、インターネット、スマートフォンのアプリなどで、最新の情報を確認し続けることが非常に重要です。
1. 気象情報と避難情報に注意しましょう
- 気象情報: 雨や風の強さ、川の水位などの情報を確認します。気象庁のウェブサイトやアプリが役立ちます。
- 避難情報: 自治体から出される避難情報を必ず確認してください。特に重要なのが「警戒レベル」です。
| 警戒レベル | 情報の意味 | 家族が取るべき行動 | | :--------- | :------------------------------------------ | :---------------------------------------------------------------------------------------------------------------- | | レベル3| 高齢者等避難 | 避難に時間がかかるお年寄りや小さいお子さん、体の不自由な人などは、危険な場所から避難しましょう。その他の人も、避難の準備を始めましょう。 | | レベル4| 避難指示 | 危険な場所から全員避難してください。 この情報が出たら、すぐに避難行動をとることが命を守るために最も大切です。 | | レベル5| 緊急安全確保 | すでに災害が発生している、または差し迫っている状況です。命が非常に危険です。ただちに身の安全を確保してください。 (このレベルを待つのではなく、レベル4までに必ず避難してください) |
レベル3が出たら避難の準備を始め、レベル4が出たら、迷わず安全な場所へ避難してください。
2. 避難するタイミングと方法
- レベル4の避難指示が出たら、事前に決めておいた避難場所へ向かいましょう。
- 雨や風が強くなる前に、まだ明るいうちに避難を開始するのが安全です。夜間や、すでに外が危険な状態になってからでは、避難が難しくなります。「早めの避難」が命を守るカギです。
- 避難する際は、複数人で助け合いながら移動すると安心です。子供や高齢者と一緒の場合は、特にゆっくりと、周りの状況に十分注意して進んでください。
- 避難所に車で行く場合は、道路の冠水(かんすい)などに注意が必要です。自治体の指示に従ってください。
3. 避難できない場合の行動
避難所への移動がすでに危険な場合や、避難所が満員の場合は、自宅の中のより安全な場所で過ごすことも考えられます。
- 建物の2階以上(洪水の場合)。
- 崖や川から離れた部屋。
- 浸水しにくい、できるだけ高い場所。
ただし、これは最後の手段です。できる限り、安全な場所への避難を優先してください。
4. 危険な場所に近づかない
- 増水した川や用水路には絶対に近づかないでください。流れが速く、落ちると非常に危険です。
- アンダーパス(underpass:道路が線路の下を通る場所など)や、水がたまっている道路には入らないでください。車のエンジンが止まったり、流されたりする危険があります。
- 崖や斜面の近くでは、土砂崩れに十分注意してください。
台風や大雨が通り過ぎた後
- まだ危険な場所があるかもしれません。自治体からの情報に注意し、安全が確認できるまでむやみに外に出ないようにしましょう。
- 浸水した家や道路は、見た目以上に汚れていたり、壊れていたりします。片付けをする際は、感染症やケガに十分注意してください。
まとめ
台風や大雨の被害から家族を守るためには、まず危険を知り、事前の準備をしっかり行うこと、そして、自治体からの情報に注意し、早めに避難する勇気を持つことがとても大切です。
この記事でご紹介した準備や行動について、ぜひご家族で話し合い、皆さんの言葉で確認してみてください。家族みんなで協力して、安全に過ごしましょう。