もしも避難所で生活することになったら?家族みんなで知っておきたいこと
災害が起きて、家に住めなくなってしまった場合、安全な場所で生活する必要があります。その一つに「避難所(ひなんじょ)」があります。避難所とは、災害から身を守るために一時的に生活する場所で、学校の体育館や公民館などが使われることが多いです。
避難所は、たくさんの人が一緒に過ごす場所です。家族みんなが安心して生活できるように、避難所で知っておきたいことや準備しておきたいことがあります。
避難所での生活とは?
避難所は、自宅のようにプライベートな空間はありません。多くの人が一つの広い場所で共同生活を送ります。そのため、お互いに気持ちよく過ごすためのルールやマナーがあります。
- 共同生活のルール:
- 指定された場所で静かに過ごしましょう。
- 他の人の迷惑にならないように、大きな声で話したり騒いだりしないようにしましょう。
- 貴重品(大切なお金やもの)は自分で管理しましょう。
- 避難所のスタッフ(自治体やボランティアの人)の指示に従いましょう。
避難所で必要な「食べる」こと「飲む」こと
避難所では、国や自治体から食料や飲み物が配られることがあります。しかし、すぐに届かない場合や、量が十分でない場合もあります。また、アレルギーがある人や、小さい子供、高齢者など、特別な食事が必要な人もいるかもしれません。
- 準備しておきたいこと:
- アレルギー対応の食品や、離乳食、介護食など、家族に特別な食事が必要な場合は、数日分を自分で準備しておきましょう。
- 慣れない環境で食欲がないときでも食べやすいもの(ゼリー飲料、栄養補助食品など)があると安心です。
- 清潔なマイコップ、マイ皿、箸やスプーンなどがあると便利です。
- ウェットティッシュや消毒液があると、食事の前後に手をきれいにできます。
避難所で必要な「眠る」こと「休む」こと
避難所では、床や体育館の固い場所で寝ることになる場合があります。多くの人が一緒にいるため、明るさや音も気になるかもしれません。
- 準備しておきたいこと:
- 毛布や寝袋(シュラフ)があると、寒さから体を守り、少しでも快適に眠れます。
- 段ボールやマットを敷くと、床の固さや冷たさを和らげることができます。
- アイマスクや耳栓があると、明かりや音を気にせずに休みやすくなります。
- 着替えやタオルも忘れずに準備しましょう。
避難所での「衛生」について
避難所では、多くの人が共同でトイレを使ったり、同じ空間で過ごしたりします。衛生に気をつけないと、風邪やインフルエンザなどの感染症が広がる可能性があります。
- 気をつけること:
- トイレを使った後や食事の前には、必ず手洗い(または手指消毒)をしましょう。
- 咳やくしゃみが出るときは、マスクをしたり、ティッシュや服の袖で口や鼻を覆う「咳エチケット」を守りましょう。
- 歯磨きやうがいもできると良いです。水が少ない場合は、ウェットティッシュや洗口液を利用する方法もあります。
- 生理用品やオムツなど、家族に必要な衛生用品も準備しておきましょう。
子供と高齢者のための配慮
子供や高齢者は、避難所の環境で特にストレスを感じやすい場合があります。
- 子供のために:
- 慣れない場所で不安になる子供もいます。絵本やおもちゃなど、安心できるものがあると良いでしょう。
- 走ったり大きな声を出したりしないように、遊び方を工夫する必要があります。
- ストレスから体調を崩すこともあります。体調の変化に注意しましょう。
- 高齢者のために:
- 固い床での生活は体に負担がかかります。できるだけ柔らかい場所を確保したり、マットを使ったりしましょう。
- トイレが遠い場合や、夜間に一人で行くのが難しい場合があります。家族がサポートしましょう。
- 持病の薬を忘れずに持っていきましょう。薬の種類や飲み方を書いたメモがあると、他の人にも伝えやすくなります。
家族みんなで協力すること
避難所での生活は、家族にとって助け合いがとても大切です。
- 家族でできること:
- お互いの体調や気持ちに気を配り、困っていることがないか声をかけ合いましょう。
- 食事の準備や後片付け、場所の整理など、できることを分担しましょう。
- 子供にも、避難所で静かに過ごすこと、他の人に優しくすることなどを教えましょう。
- 高齢の家族がいる場合は、移動や身の回りの世話をサポートしましょう。
避難所での情報収集
避難所では、災害の状況や今後の生活について、自治体からさまざまな情報が提供されます。掲示板に貼られた情報や、スタッフからのアナウンスに注意しましょう。
最近は、多言語で情報を提供している避難所や、やさしい日本語で書かれた情報もあります。わからないことがあれば、遠慮せずにスタッフに質問してみてください。コミュニケーションには、「やさしい日本語」や身振り手振り、翻訳アプリなども役立ちます。
まとめ
避難所での生活は、家での生活とは大きく異なります。不便なことや大変なこともありますが、事前にどんな場所かを知り、必要なものを準備しておくことで、少しでも安心して過ごすことができます。
避難所は、あくまで一時的に安全を確保するための場所です。ここで生活するために大切なことは、お互いを思いやり、家族みんなで協力することです。自治体からの情報に耳を傾け、新しい生活に向けて一緒に進んでいきましょう。