季節で変わる!夏と冬の家族みんなでできる防災準備
季節ごとの防災準備の重要性
日本には四季があり、季節によって発生しやすい災害の種類や、災害時の生活で困る点が異なります。例えば、夏は台風や大雨、冬は大雪や低温が考えられます。また、停電した場合、夏は熱中症のリスクが高まり、冬は寒さで体調を崩しやすくなります。
家族みんなの安全を守るためには、年間を通じて同じ備えをするだけでなく、それぞれの季節の特徴に合わせた防災準備をすることが大切です。特に、小さなお子さんや高齢のご家族がいる場合は、季節による体調の変化や必要なケアが異なりますので、特別な配慮が必要です。
このガイドでは、夏と冬に焦点を当て、家族みんなで確認しておきたい防災準備のポイントを具体的にご紹介します。
夏の防災準備
夏は台風、大雨、洪水、土砂災害、そして猛暑による停電時の熱中症リスクが高まります。
1. 気象情報と避難情報を確認する
夏の災害は天候の変化が急な場合があります。 * 気象庁のウェブサイトやテレビ、ラジオなどで最新の気象情報をこまめに確認しましょう。 * お住まいの地域のハザードマップで、自宅や家族がよくいる場所(学校、職場など)の洪水や土砂災害のリスクを確認してください。特に、大雨の予報が出たら、改めて家族みんなで避難場所や避難経路を確認しましょう。(参考:家族みんなでチェック!ハザードマップでわかる災害リスクと避難場所) * お住まいの自治体からの避難情報(高齢者等避難、避難指示など)の発表方法(防災無線、ウェブサイト、アプリ、SNSなど)を家族みんなで確認し、すぐに情報を受け取れるように準備しておきましょう。
2. 停電に備える(暑さ対策)
夏の停電は、エアコンが使えなくなるため熱中症につながりやすく危険です。 * 携帯扇風機やうちわ、扇子などをすぐに使える場所に準備しておきましょう。 * 冷却シートや瞬間冷却パックは、体の表面温度を下げるのに役立ちます。 * 経口補水液やスポーツドリンクなど、塩分・糖分を含む飲み物を多めに備蓄しておくと、熱中症予防に有効です。水だけでなく、これらの飲み物もローリングストック(普段使いしながら備蓄する)で準備しましょう。(参考:もしもの時に困らない!わが家の「食べる・飲む」防災備蓄) * 窓に遮光カーテンやすだれを設置することは、部屋の温度上昇を抑えるのに効果的です。 * 停電時でも使える電池式のラジオやモバイルバッテリーを準備し、充電しておきましょう。スマートフォンで情報収集したり、連絡を取ったりするのに役立ちます。
3. 水害・土砂災害に備える
大雨や台風は、洪水や土砂災害を引き起こす可能性があります。 * 自宅が浸水する可能性がある場所にある場合は、土のう(水害対策用の袋)や水のうの準備、家具や荷物を高い場所に移動させるなどの対策を検討しましょう。 * 家族みんなで、近くの安全な場所や指定避難所までの避難経路を実際に歩いて確認しておきましょう。増水した川や冠水した道路など、危険な場所には近づかないように家族で約束しておきます。 * 車での避難は、渋滞に巻き込まれたり、冠水した道路で動けなくなったりする危険があります。原則として徒歩での避難を考えましょう。
4. 持ち出し袋の中身を確認する
非常用持ち出し袋に、夏を乗り切るためのアイテムを追加・確認しましょう。 * 前述の冷却シートや経口補水液。 * 着替えは、夏用の通気性の良い服を中心に。 * 汗拭きシートや虫よけもあると便利です。
冬の防災準備
冬は、大雪による立ち往生、建物の倒壊、そして寒さによる低体温症や凍結などが考えられます。停電や断水が発生すると、暖房や水道が使えなくなり、命に関わる危険性が高まります。
1. 気象情報と路面情報を確認する
冬の災害、特に大雪では、交通機関への影響が大きくなります。 * 気象庁からの低温や大雪に関する注意報・警報に注意しましょう。 * テレビ、ラジオ、インターネットなどで、積雪情報や道路の凍結状況をこまめに確認してください。 * 冬の避難は寒さが厳しく危険を伴います。可能な限り安全な自宅にとどまる「在宅避難」の準備も重要になりますが、自治体からの避難情報が出た場合は、速やかに対応する必要があります。
2. 停電に備える(寒さ対策)
冬の停電は、暖房が使えなくなるため、非常に危険です。 * 毛布、厚手の布団、寝袋などをすぐに使える場所に準備しておきましょう。 * 使い捨てカイロは、体の末端などを温めるのに非常に有効です。多めに備蓄しておきましょう。 * カセットコンロと予備のガスボンベがあれば、お湯を沸かしたり簡単な調理をしたりして体を温めることができます。ただし、使用する際は換気を十分に行い、火災に注意が必要です。(参考:もしものライフラインが止まったら?家族みんなで備える災害時の電気・ガス・水道対策) * 窓に厚手のカーテンや断熱シートを貼ることで、室内の暖かい空気が逃げるのを防ぐことができます。 * 重ね着できる暖かい下着やフリース、靴下なども準備しておきましょう。
3. 断水に備える(保温対策)
冬の断水は、暖房だけでなく、水を使って体を温めることも難しくなります。 * 飲料水とは別に、生活用水としてポリタンクなどに水をためておきましょう。断水時でもトイレを流したり、簡単な手洗いなどに使えます。(参考:もしも水が使えなくても大丈夫!家族みんなで備える災害時のトイレ対策) * 温かい飲み物を作るための水やカセットコンロ、燃料の備蓄は夏以上に重要です。 * 体が冷えると免疫力が低下し、体調を崩しやすくなります。家族みんなで手洗い・うがいをこまめに行い、感染症予防に努めましょう。(参考:もしも水が使えなくなったら?家族みんなで取り組む災害時の衛生対策)
4. 持ち出し袋の中身を確認する
非常用持ち出し袋に、冬を乗り切るためのアイテムを追加・確認しましょう。 * 前述の使い捨てカイロやアルミブランケット(体温を逃がさない簡易毛布)。 * 着替えは、重ね着できる暖かい服を中心に。 * 手袋、マフラー、厚手の靴下、ニット帽なども忘れずに。 * 携帯用カイロもあると、避難時などに役立ちます。
家族みんなで確認したい共通の準備
季節ごとの準備に加えて、家族みんなで話し合い、確認しておくべき共通の準備があります。
- 家族会議を開く: 夏の災害、冬の災害について、それぞれどんなリスクがあるか、どう準備したら良いか、家族みんなで話し合いましょう。特にお子さんには分かりやすい言葉で伝え、一緒に準備を進めることが大切です。(参考:家族みんなで話し合う!わが家の防災会議の進め方)
- 備蓄品の確認と入れ替え: 季節によって使うものが異なる場合や、使用期限が近づいているものがないか、定期的に(年2回など)備蓄品全体を確認し、必要に応じて買い足したり入れ替えたりしましょう。ローリングストックを取り入れている場合は、消費と補充を習慣にしてください。
- 避難場所・経路の確認: 季節によっては、普段使っている避難経路が積雪で通行止めになったり、洪水で危険になったりすることがあります。季節ごとの状況を想定し、複数の避難経路を考えておくことも有効です。また、地域の避難所が季節によって開設状況が変わる可能性も確認しておきましょう。
まとめ
災害から家族を守るためには、季節ごとのリスクを理解し、それに応じた準備をすることが非常に重要です。夏は暑さ対策、冬は寒さ対策を中心に、家族みんなで話し合い、必要な備蓄品や持ち出し品を準備・確認しましょう。
これらの準備は一度行えば終わりではありません。季節が変わるごとに、家族みんなで集まって準備内容を見直し、必要なものを買い足すなど、習慣にすることが大切です。家族みんなで協力して、季節に合わせた防災準備を進めていきましょう。