災害発生!家族にどう声をかける?落ち着いて安全に行動するためのコミュニケーション
災害発生!家族にどう声をかける?落ち着いて安全に行動するためのコミュニケーション
大きな地震や台風など、災害はいつ起こるかわかりません。もしもの時、あなた自身だけでなく、大切な家族みんなが安全に行動できるかが重要です。特に、小さなお子さんや高齢者、日本語能力が十分でない家族がいる場合、とっさの判断や行動が難しくなることもあります。
災害発生時、家族は驚きや不安からパニックになることがあります。そのような状況で、どうすれば家族を落ち着かせ、安全な行動へ導けるでしょうか?この記事では、災害が起きたときに家族に伝えるべきこと、そして落ち着いて行動するための声かけやコミュニケーションのポイントをご紹介します。
なぜ災害時の家族への声かけが大切なの?
災害が発生すると、私たちの心は強いストレスを感じます。特に、地震の大きな揺れや洪水など、生命の危険を感じる状況では、人は冷静な判断ができなくなり、パニックに陥りやすくなります。
家族の中でも、子どもは状況を正確に理解することが難しく、大人の不安を感じ取って泣き出したり、固まってしまったりすることがあります。高齢者も、状況判断に時間がかかったり、体の動きが制限されたりするため、具体的な指示が必要です。また、日本語が母語ではない家族にとっては、緊急時のアナウンスや周囲の状況を理解することがさらに難しくなります。
このような時、家族の中で誰か一人が冷静に、的確な指示を出すことが、みんなの安全を守るために非常に重要になります。そのための「声かけ」は、家族をつなぎ、安全な行動を促すための大切な手段です。
落ち着いて安全に行動するための声かけの基本
災害発生直後の混乱した状況で、家族に声をかけるときの基本的なポイントは次の通りです。
- 落ち着いたトーンで: あなた自身がまず深呼吸をして落ち着き、不安を煽らないような、落ち着いた声で話しましょう。「大丈夫だよ」「怖くないよ」といった安心させる言葉も有効です。
- 短く、具体的に: 長い説明や難しい言葉は避けましょう。「机の下にもぐって!」「頭を守って!」のように、具体的で短い言葉で指示します。
- 肯定的な指示で: 「走らない!」のような否定的な言葉よりも、「ゆっくり歩こうね」「ここに集まろう」のような肯定的な指示の方が、人は行動しやすくなります。
- アイコンタクトとジェスチャー: 目を見て話すことで、あなたの真剣さや安心感が伝わります。言葉が通じにくい場合は、身振り手振り(ジェスチャー)や指差しを積極的に使いましょう。
状況別の具体的な声かけ例
ここでは、いくつかの状況に応じた具体的な声かけの例をご紹介します。
1. 地震の強い揺れを感じたとき
揺れを感じたら、まずは身の安全を最優先です。 * 「危ない!テーブルの下に隠れて!」 * 「頭を守って!」 * 「じっとしていて!」
子どもには「ゴローンして!」「頭を隠すポーズ!」など、遊びのように伝える工夫も有効です。
2. 揺れが収まった後
揺れが収まっても、すぐに安全になるわけではありません。二次災害を防ぐための行動が必要です。 * 「揺れが止まったよ。」 * 「火を消して!」(ガスコンロなどを使っていた場合) * 「ドアを開けて!逃げ道を作って!」 * 「靴を履いて!ガラスが危ないよ!」(室内でもスリッパや厚手の靴を履く) * 「ブレーカーを落として!」(電化製品からの出火を防ぐ)
これらの行動は、事前に家族で誰が何をするか決めておくと、よりスムーズです。
3. 避難が必要なとき
テレビやラジオ、スマートフォンの情報、または自治体からの避難情報で、避難が必要だと判断した場合の指示です。 * 「避難しなきゃ。」 * 「非常用持ち出し袋を持ってきて!」 * 「靴を履いて、上着を着て!」 * 「電気とガスの元栓を閉めて!」 * 「〇〇避難所に行くよ。」(事前に決めておいた避難場所の名前を言う) * 「一緒に行こうね。」
子どもには「冒険に行くよ!」「〇〇公園(避難場所)まで、一緒に頑張ろう!」など、前向きな言葉で促すこともできます。
4. 日本語が十分でない家族がいる場合
言葉だけでは伝わりにくい状況です。 * 事前に決めておく: 「揺れたらテーブルの下」「火を消す」など、簡単な日本語や母語で、家族の安全のために必要な基本的な行動を事前に決めておきましょう。 * ジェスチャーと指差し: 「テーブルの下」(テーブルを指差しながら身をかがめるジェスチャー)、「外へ行く」(外を指差しながら歩くジェスチャー)など、言葉だけでなく体で伝えましょう。 * 簡単な言葉の練習: 「逃げる(にげる)」「危ない(あぶない)」「大丈夫(だいじょうぶ)」など、防災に関わる最低限の言葉を家族みんなで練習しておくと役立ちます。 * 多言語ツール: 災害情報アプリやウェブサイトの中には、多言語で情報を提供するものがあります。日頃から家族で使い方を確認しておきましょう。
普段から家族で話し合っておくこと
もしもの時にスムーズにコミュニケーションをとるためには、日頃からの準備が不可欠です。 * 家族防災会議: 災害が起きたらどうするか、どこに避難するか、何を持って逃げるかなどを、家族みんなで話し合う時間を作りましょう。「わが家の避難計画」を一緒に作ることも有効です。 * 役割分担: 災害が起きたときに「お父さんは火の始末」「お母さんは子どもを誘導」「上の子は非常用持ち出し袋の準備」のように、誰が何をするか決めておくと、混乱が少なくなります。 * 簡単なサインや合図: 言葉にならない場合の「大丈夫」「助けて」などの簡単なサインや、集合場所を指し示す合図などを決めておくことも役立ちます。 * 避難訓練: 自治体が行う避難訓練に参加したり、家族だけで自宅からの避難経路を確認する練習をしたりすることも大切です。訓練の中で、実際に声をかけ合う練習をしてみましょう。
まとめ
災害発生時の家族の安全は、日頃からの準備と、いざというときの適切なコミュニケーションにかかっています。パニックにならず、落ち着いて、短く、具体的に声をかけることを心がけましょう。そして何より、家族みんなで防災について話し合い、練習しておくことが、お互いを守る力になります。
この情報が、あなたの家族の安全を守るための一助となれば幸いです。