普段の生活に防災を!家族みんなで取り組む「日常防災」のすすめ
日常防災とは?なぜ家族みんなで取り組むのが大切?
地震や台風などの災害は、いつ起こるか分かりません。しかし、災害に備えることは、特別なことや難しいことばかりではありません。普段の生活の中に、少しずつ防災の考え方や行動を取り入れることができます。これを「日常防災」といいます。
日常防災に家族みんなで取り組むことは、とても大切です。なぜなら、災害が起こったときに、家族それぞれが冷静に、そして安全に行動するために、普段からの準備と話し合いが力になるからです。特に、日本語があまり得意でない家族がいる場合は、普段から一緒に防災について考え、行動することで、いざという時に慌てずに行動しやすくなります。
このページでは、家族みんなで無理なく続けられる「日常防災」のアイデアをいくつかご紹介します。
家族みんなでできる「日常防災」のアイデア
日常防災は、大がかりな準備だけでなく、日々の暮らしの中で少し意識を変えたり、簡単な行動を取り入れたりすることから始められます。
1. 家の中を安全に整理整頓する
- ポイント: 災害時、家の中が散らかっていると、避難の妨げになったり、物が倒れて怪我をしたりする危険があります。
- 家族でできること:
- 家族みんなで、倒れやすい家具の近くに物を置かないように決めましょう。
- 避難するときに通る道(玄関までの通路など)には、常に物を置かないように心がけましょう。
- 使っていない物や不要な物を定期的に片付け、すっきりした状態を保ちましょう。高い場所に重い物を置かないように注意します。
2. 備蓄品をチェックし、使う習慣をつける(ローリングストック)
- ポイント: 非常食や水の備蓄は大切ですが、賞味期限切れを防ぎ、無理なく続けるには「ローリングストック」という方法がおすすめです。
- 家族でできること:
- 普段食べている少し多めに買い置きし、古いものから使うようにします。使った分だけ新しく買い足します。
- 乾麺、レトルト食品、缶詰、お菓子など、家族が普段から食べ慣れているものを中心に選びましょう。
- 定期的に家族みんなで備蓄品を確認する日を決めましょう。「毎月1日」など、覚えやすい日が良いでしょう。何がどれだけあるか、賞味期限はいつかを確認します。
3. 家族で地域のハザードマップを見る習慣をつける
- ポイント: 住んでいる地域にどのような災害のリスクがあるかを知ることは、適切な避難行動のために重要です。
- 家族でできること:
- 自治体から配られるハザードマップを、家族みんなで定期的に見てみましょう。自治体のウェブサイトでも確認できます。
- 「この場所は洪水になりやすい」「ここは土砂崩れの危険がある」など、地図を見ながら家族で話し合いましょう。
- 自宅だけでなく、子供の学校や家族の職場の周りはどうか、といったことにも目を向けましょう。
4. 家族で防災について話す時間を持つ(わが家の防災会議)
- ポイント: 普段から防災について話し合うことで、いざという時に家族みんなが同じ目標を持って行動できます。
- 家族でできること:
- 特別な会議室は要りません。食事中やリラックスしている時間に、「もし大きな地震が来たらどうする?」と話題に出してみましょう。
- 家族が離れているときに災害が起きた場合の連絡方法や、どこで落ち合うかなどを話し合って決めましょう。
- 子供にも分かりやすい言葉で、なぜ防災が必要なのか、何ができるのかを伝えましょう。絵や図を使って説明するのも良い方法です。
5. 短時間でできる簡単な訓練を取り入れる
- ポイント: 体で覚えた行動は、パニックになりそうな状況でも思い出しやすくなります。
- 家族でできること:
- 「グラッときたら、まず頭を守る」という行動を、寝る前に布団の中で確認したり、リビングでリラックスしているときに「もし地震が来たら?」と声に出してやってみたりしましょう。
- 「避難するまでの道のりを、家の中で歩いてみる」という簡単なシミュレーションも有効です。障害物がないか、危険な場所はないかを確認できます。
日常防災を無理なく続けるための工夫
日常防災は、一度に全てやろうとすると大変です。少しずつ、できることから始めて、習慣にしていくことが大切です。
- 目標を小さく設定する: 「今週はリビングを片付ける」「今月は備蓄品をチェックする」など、小さな目標を決めましょう。
- 家族みんなで役割分担する: 子供には備蓄品のリスト作りを、夫には家具の固定をお願いするなど、家族それぞれができることを分担すると、みんなで参加している意識が高まります。
- 楽しみながら取り組む: 防災グッズを買いに行くのをレジャーにしたり、非常食を試食するイベントにしたりと、ポジティブな気持ちで取り組めるように工夫しましょう。
- 完璧を目指さない: 毎日完璧にできなくても大丈夫です。「今日はここまでやろう」と、できる範囲で続けましょう。
まとめ
災害への備えは、特別なことではなく、日々の生活の一部として取り入れることができます。「日常防災」は、家族みんなで少しずつ準備を進め、もしもの時にも慌てず、お互いを助け合える力を育むための大切なステップです。
このページでご紹介したアイデアを参考に、ぜひ今日から、家族みんなでできる「日常防災」を始めてみてください。無理なく続けることが、家族の安全を守ることにつながります。