もしもの時に役立つ!家族みんなで作る「わが家の防災マップ」
はじめに:なぜ「わが家の防災マップ」が必要なのでしょうか?
災害はいつ起こるか分かりません。特に地震や台風、大雨などは、私たちや家族の安全に関わる大切な問題です。災害が起きたとき、どこに逃げるのか、家族はどうやって連絡を取り合うのか、自宅でどんな危険な場所があるのかなど、事前に知っておくべきことがたくさんあります。
「わが家の防災マップ」を作ることは、家族みんながこれらの情報を理解し、もしもの時に慌てずに行動するためにとても役立ちます。特に、日本語が苦手なご家族や、小さなお子さん、高齢のご家族がいる場合は、絵や地図で視覚的に分かりやすいマップがあることで、情報が伝わりやすくなります。
この記事では、家族みんなで一緒に楽しみながら作れる「わが家の防災マップ」について、必要な情報の集め方や、マップの作り方、そして作ったマップをどう活用するかを分かりやすく説明します。
「わが家の防災マップ」にはどんな情報を書き込む?
「わが家の防災マップ」は、家族が住む場所やその周りの環境について、防災に必要な情報を一つにまとめたものです。具体的には、以下のような情報を書き込むと良いでしょう。
- 自宅の情報
- 家の間取り図(部屋の配置)
- 地震で家具が倒れる危険がある場所
- 火の元(キッチン、ストーブなど)の場所
- 防災グッズや非常食を置いている場所
- 安全な避難場所(家の中で揺れがおさままるまで身を守る場所)
- 自宅の周りの情報(地域の地図を使う)
- 自治体が指定する避難場所(小学校や公民館など)の場所
- 広域避難場所(大きな公園など)の場所
- 自宅から避難場所までの安全な道のり(避難経路)。どこを通るのが安全か、危険な道はないか確認します。
- 避難場所に行くまでの途中で、立ち寄れる安全な場所(親戚や友人の家、地域の防災拠点など)
- 家族と離れてしまった場合の待ち合わせ場所
- 地域のハザードマップで示されている危険なエリア(川の氾濫しやすい場所、土砂崩れの危険がある場所など)。自宅や避難経路が危険なエリアに入っていないか確認します。
- その他
- 災害伝言ダイヤルや家族の連絡先のメモ
- 地域の防災センターなどの緊急連絡先
これらの情報を一つのマップにまとめることで、もしもの時に何が必要か、どこに行けば安全か、家族みんなで素早く確認できるようになります。
どうやって作る?準備するものとステップ
「わが家の防災マップ」作りは、難しい作業ではありません。家族みんなで協力して、楽しみながら取り組みましょう。
準備するもの:
- 大きめの紙(模造紙やポスターサイズの紙)
- ペン、色鉛筆、マーカー
- 自宅の間取り図(あれば)
- 住んでいる地域の地図
- 自治体から配布されたハザードマップ(インターネットでも見られます)
- 家族みんなの意見!
マップ作りのステップ:
- 家族会議を開く: まずは家族みんなで集まり、「どうして防災マップを作るのかな?」「どんな情報を入れたいかな?」など、話し合います。お子さんの意見も聞いてみましょう。
- 基本の地図を用意する: 大きな紙の真ん中に、自宅の簡単な間取り図を描いたり、自宅の周りの地図(コピーでも良い)を貼ったりします。
- 自宅の中の情報を書き込む: 間取り図に、家具が倒れそうな場所、火を使う場所、防災グッズの場所、安全な場所などを印や絵で書き込みます。「ここには重い棚があるから気をつけようね」など、家族で確認しながら作業を進めましょう。
- 地域の情報を書き込む: 周辺地図に、避難場所、避難経路、待ち合わせ場所などを書き込みます。ハザードマップを見ながら、川や崖など、危険な場所も印をつけておくと良いでしょう。避難経路は複数考えておくとさらに安心です。
- その他の情報を追加する: 連絡先や災害時の約束事なども、マップの空いている場所に書き加えておきます。
- マップを完成させる: 絵を描いたり、色を塗ったりして、分かりやすく、家族みんなが愛着を持てるマップに仕上げましょう。
マップ作りのポイント
- 家族みんなで一緒に: これが一番大切です。マップを作る過程で、家族は自然と防災について話し合い、学びを深めることができます。
- 分かりやすさを重視: 専門的な地図でなくても大丈夫です。家族が理解しやすいように、簡単な絵やマークをたくさん使いましょう。日本語が苦手な家族のために、母語で補足情報を書いたり、絵文字を活用したりするのも良いアイデアです。
- 楽しんで作る: 防災は堅苦しいと思われがちですが、マップ作りをゲームのように楽しむことで、家族みんなが積極的に参加できます。
- 子供も参加させる: お子さんには絵を描いてもらったり、危険な場所を一緒に探してもらったり、できる範囲で参加してもらいましょう。自分で作ったマップなら、災害が起きたときにも覚えやすく、行動しやすくなります。
作った「わが家の防災マップ」をどう活用する?
マップは作って終わりではありません。作ったマップを以下の方法で活用しましょう。
- みんなが見る場所に貼る: 家族が集まるリビングなど、いつもみんなが見る場所に貼りましょう。
- 定期的に見直す: 家族の状況や住んでいる場所が変わったら、マップの内容を見直して更新しましょう。地域のハザードマップが新しくなることもあります。年に一度など、見直す日を決めておくと良いでしょう。
- 避難訓練で使う: マップを見ながら、実際に避難経路を歩いてみるなど、家族で避難訓練をしてみましょう。危険な場所や、もっと安全な道が見つかるかもしれません。
- 家族以外にも共有する: 祖父母や親戚など、もしもの時に助け合える人がいれば、マップの一部情報を共有しておくと役立つ場合があります。
おわりに
「わが家の防災マップ」作りは、単なる地図作りではなく、家族みんなが防災について考え、話し合い、お互いを守り合うための大切な時間です。
このマップを通して、家族それぞれの役割や、もしもの時の行動を確認し、絆を深めるきっかけにしてください。そして、マップ作りで学んだことを、普段の生活での防災意識向上につなげていきましょう。
地域の自治体や消防署では、防災に関するさまざまな情報提供やイベントを行っています。積極的に活用して、ご家族の安全を守るための知識を深めてください。