もしもの災害に備える!家族みんなで考える保険・共済
もしもの災害に備える!家族みんなで考える保険・共済
地震や台風、大雨など、いつ災害が起こるか分かりません。災害が起こると、家や家具が壊れたり、大切なものがなくなったりすることがあります。このような時、生活を立て直すためにはお金が必要になります。
国や自治体からの支援もありますが、それだけでは十分でない場合が多いです。そこで、災害による損害に備える一つの方法として「保険」や「共済」があります。保険や共済は、お金を出し合って、困った人を助け合う仕組みです。
ここでは、もしもの災害で家や財産が被害を受けた時のために、家族みんなで知っておきたい保険や共済についてお話しします。
なぜ保険や共済が必要なのでしょうか?
災害による被害は、時として非常に大きくなります。家が住めなくなったり、家の中の家具や電化製品が壊れたり、思い出の品が失われたりすることもあります。これらの被害を自分の力だけで元に戻すのは、とても大変です。
保険や共済に入っておくと、被害を受けた時に「保険金」や「共済金」としてお金がもらえます。このお金を使って、家を修理したり、新しい家具を買ったり、生活を立て直すための費用にあてることができます。
家族の安全だけでなく、災害後の生活の安心のためにも、保険や共済について家族みんなで考えておくことが大切です。
どのような保険や共済があるのでしょうか?
災害による被害に備えるための主な保険や共済には、次のようなものがあります。
- 地震保険
- 火災保険
- 自治体が行う共済
それぞれについて説明します。
地震保険
地震保険は、地震や地震による津波、噴火によって、家や家の中の家具などが被害を受けた時に保険金が支払われる保険です。
地震による損害は、通常の火災保険だけでは補償されません。地震の揺れによる家の損壊はもちろん、地震が原因で起こった火事や津波による被害も、地震保険で補償されます。
地震保険は、火災保険とセットで加入することが一般的です。建物(家自体)と家財(家の中にある家具や電化製品など)の両方にかけることができます。
火災保険
火災保険は、火事による被害を補償する保険ですが、多くの火災保険では、火事だけでなく次のような災害による損害も補償の対象となっています。
- 風災: 台風、竜巻、突風などによる被害
- 水災: 台風や大雨による洪水、高潮、土砂崩れなどによる被害
- 雪災: 大雪やなだれによる被害
- 落雷: 落雷による被害
ただし、火災保険でどこまで補償されるかは、契約内容によって異なります。ご自宅の火災保険が、風災や水災なども含めて補償されるか確認することが大切です。
自治体が行う共済
お住まいの市町村などの自治体が、災害による被害に備えるための独自の共済制度を行っている場合があります。例えば、「市民総合賠償共済」や「災害共済」といった名前で、加入者に災害時の見舞金などを支払う制度です。
自治体の共済は、民間の保険よりも掛金(毎月支払うお金)が安い場合が多く、加入しやすいのが特徴です。ただし、補償される金額や範囲は、民間の保険と異なる場合があります。お住まいの自治体にどのような共済制度があるか、確認してみましょう。
家族みんなで話し合い、確認しましょう
保険や共済について、家族みんなで話し合い、確認しておくべきことはいくつかあります。
1. 今、どのような保険や共済に入っているか?
まず、ご自宅がどのような保険や共済に入っているかを確認しましょう。保険証券(契約内容が書かれた書類)を探してみてください。もし、どこにあるか分からない場合は、契約している保険会社に問い合わせる必要があります。
2. どのような災害が補償されるか?
保険証券を見て、地震、火災、水災(洪水など)、風災(台風など)といった、どのような災害による損害が補償されるかを確認しましょう。特に地震による被害は、地震保険でしか補償されないことがほとんどです。ハザードマップなどで自宅のリスクを確認し、必要な補償があるか検討しましょう。
(図やイラスト挿入イメージ: 保険証券の主要な確認項目(契約者、補償範囲、補償金額など)を示すイラスト)
3. どれくらいの金額が支払われるか?
家(建物)がどれくらい損害を受けたら、どれくらいの金額が支払われるのか、家の中の物(家財)はどこまで補償されるのかなど、補償される金額(保険金額)を確認しましょう。生活を立て直すのに十分な金額になっているか、家族で話し合ってみましょう。
4. 保険金や共済金を受け取るための手続きは?
もしもの時に慌てないよう、保険金や共済金を受け取るための手続きについても確認しておきましょう。どのような書類が必要か、どこに連絡すれば良いかなど、保険会社のウェブサイトを見たり、保険証券に書かれている連絡先を確認したりしておきます。
保険証券などの大切な書類はすぐに持ち出せる場所に
保険証券や共済の加入証書、契約内容が分かる書類は、非常に大切なものです。災害が起こった時でも安全な場所に保管し、もし避難することになった場合は、非常用持ち出し袋と一緒にすぐに持ち出せる場所に置いておきましょう。デジタルで保管しておくことも考えてみましょう。
子供や高齢者にはどう伝えますか?
ご家族の中に日本語能力が十分でない方や、内容を理解するのが難しい方がいるかもしれません。そのような場合は、次のように伝えてみてはいかがでしょうか。
- 「もし地震や大きな雨で家が壊れても、修理するためのお金をもらう約束をしているんだよ。」と、分かりやすい言葉で説明する。
- 「この紙(保険証券など)は、もしもの時に大切だから、なくさないようにしようね。」と、書類の大切さを伝える。
- 自治体の共済など、より身近な制度から説明してみる。
家族みんなで、家の安全だけでなく、災害後の生活を守るための金銭的な備えについても話し合い、理解しておくことが、安心して日本で暮らすことにつながります。分からないことがあれば、契約している保険会社や、お住まいの自治体の窓口に相談してみてください。信頼できる情報源から正しい情報を得ることが大切です。