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もしもの災害時に!家族みんなで知っておきたい応急手当

Tags: 防災, 応急手当, 家族, 外国人, 災害対策

災害時に備える:家族で学ぶ応急手当の大切さ

地震や台風などの災害が起きたとき、救急車がすぐに来られない状況になる可能性があります。そのような時、目の前で家族の誰かがケガをしてしまったら、どうすれば良いでしょうか。医療の専門家でなくても、基本的な応急手当の方法を知っていれば、大切な家族の命を守ったり、症状の悪化を防いだりすることができます。

特に、小さなお子さんや高齢のご家族がいる場合、急なケガへの対応はとても重要です。家族みんなで、落ち着いて行動できるように、日頃から基本的な応急手当について話し合い、準備しておくことをお勧めします。

災害時の応急手当:まずは落ち着いて行動する

災害時にケガ人が出た場合、一番大切なのは「落ち着いて行動すること」です。

  1. まず、自分の安全を確保してください。 周囲に危険なもの(落ちてきそうな物、火災など)がないか確認します。安全でない場所にいる場合は、安全な場所に移動してから対応します。
  2. ケガをした人の意識を確認します。 肩などを優しくたたきながら「大丈夫ですか?」などと声をかけます。返事があるか、目を開けるかなどを見ます。
  3. 呼吸をしているか確認します。 お腹や胸が動いているか、口元や鼻に耳を近づけて息を感じるかなどを確認します。
  4. ケガの様子を確認します。 出血しているか、骨がおかしな方向に曲がっていないか、やけどはないかなどを確認します。

これらの確認を素早く行うことが、その後の対応を決めるために必要です。

家庭でできる基本的な応急手当の方法

特別な道具がなくても、身近にあるものを使ってできる基本的な応急手当をいくつかご紹介します。これらは医療行為ではなく、あくまで専門家による手当が受けられるまでの「一時的な対応」です。

1. 出血を止める(止血)

軽い切り傷などからの出血は、清潔な布で傷口をしっかり押さえることで止めることができます。

注意点: 止血している布は、出血が止まるまで絶対に外さないでください。外すと、固まり始めた血が剥がれて再び出血する可能性があります。

2. ケガをした場所を保護する

出血が止まった後や、すり傷など、傷口を清潔に保ち、さらに悪くならないように保護することが大切です。

3. やけどの対応

熱いものに触れたり、お湯がかかったりしてやけどをした場合は、すぐに冷やすことが重要です。

注意点: 氷や保冷剤で直接冷やすと、冷えすぎてしまうことがあります。必ず清潔な布などで包んでから使用するか、水で冷やしてください。広範囲のやけどや、深く白くなっているようなやけどは重症の可能性が高いです。

家族みんなで練習する・教え合う

これらの基本的な応急手当の方法は、頭で知っているだけでなく、実際にやってみることが大切です。

わが家の「救急箱」を準備・確認する

災害時にすぐに応急手当ができるように、必要なものをまとめて「救急箱」として準備しておきましょう。持ち運びしやすいケースに入れるのがお勧めです。

救急箱に入れておきたいものリスト(例):

確認ポイント:

地域の医療情報と外国人向け支援

災害時の医療体制については、お住まいの自治体の情報を確認してください。一時的に開設される医療救護所や、利用できる病院などが案内されます。

また、外国人住民向けの相談窓口や、多言語での情報提供を行っている団体があるかもしれません。普段から、お住まいの地域の役所や国際交流協会などの情報を調べておくと安心です。

まとめ:日頃からの準備が、もしもの安心につながる

災害はいつ起こるかわかりません。万が一の時に、家族の誰かがケガをしても、落ち着いて対応できるよう、基本的な応急手当の方法を家族みんなで学び、救急箱を準備しておくことはとても大切です。

今日からできることから始めてみましょう。家族で話し合い、一緒に練習し、いざというときに備えてください。日頃からの小さな準備が、もしもの時の大きな安心につながります。