もしもの時、家族みんなでどう避難する?安全な避難行動のステップ
災害発生!家族みんなで安全に避難するために
地震や台風、大雨など、いつ災害が起こるかわかりません。もしもの時、家族みんなで一緒に安全な場所に避難することはとても大切です。
特に、小さなお子さんや高齢のご家族、体の不自由なご家族がいる場合、避難には特別な準備や配慮が必要です。この記事では、災害が起きたときに、家族みんなで安全に避難するための具体的な行動や注意点についてお話しします。事前に家族で話し合い、いざという時に慌てず行動できるように備えましょう。
避難を始めるタイミングを知る
災害が起きたとき、すぐに避難しなければならない場合と、しばらく様子を見られる場合があります。避難を始めるタイミングを判断するために、以下の情報に注意しましょう。
- 市町村からの避難情報:
- 「避難指示」:危険な場所から全員が避難しなければならない、最も危険なレベルの情報です。この情報が出たら、すぐに安全な場所に避難してください。
- お住まいの市町村から発表されるこれらの情報は、テレビ、ラジオ、スマートフォンの防災アプリ、市町村のホームページなどで確認できます。
- 周囲の状況:
- 河川の水位が急に上がった
- 土砂崩れの危険がある斜面が近くにある
- 家が浸水し始めた
- 建物の倒壊の危険がある これらの状況が見られる場合は、避難指示が出ていなくても、身の安全を最優先して自主的に避難を始めることを検討してください。
もし、家族の中で避難の判断に迷う人がいたら、安全な場所にいる人が情報を集め、家族みんなで話し合って行動を決めることが大切です。日本語が苦手な家族には、分かりやすい言葉や多言語対応の情報ツールを使って伝えてあげましょう。
家を出る前の最終確認
避難指示が出て家を出る準備をする際は、安全のため、そしてその後の生活のために、いくつかの最終確認が必要です。
- 火の元、電気、ガス: 慌てていると忘れがちですが、火事を防ぐため、ガス栓を閉め、電気のブレーカーを切ってください。ただし、余震や二次災害の危険がある場合は、無理に行わず、安全な場所への避難を優先してください。
- 戸締まり: 家を離れる際は、可能であれば窓や戸をしっかり閉めてください。
- 非常用持ち出し袋: すぐに持ち出せる場所に置いてあった非常用持ち出し袋を忘れずに持ちます。リュックサックタイプだと両手が空くので安全に移動できます。
- 貴重品: 財布、身分証明書(在留カードなど)、健康保険証、常備薬なども忘れずに持ちましょう。
安全な服装と避難中の持ち物
避難するときは、動きやすく、体を守れる服装が大切です。
- 服装:
- 長袖、長ズボン:ケガを防ぎます。
- 丈夫な靴:瓦礫やガラス片などから足を守ります。スニーカーなどが適しています。サンダルやヒールのある靴は避けましょう。
- 帽子やヘルメット:落石や落下物から頭を守ります。
- 軍手や厚手のゴム手袋:避難中に物をどかしたり、手をついたりする際に役立ちます。
- 避難中の持ち物:
- 非常用持ち出し袋(食料、水、ライト、ラジオ、携帯トイレなど)
- スマートフォンと予備のバッテリー(モバイルバッテリー)
- マスク
- ウェットティッシュ、除菌シート
- タオル
これらの他に、家族に必要なもの(赤ちゃん用品、介護用品、ペット用品など)を準備します。
家族での移動方法と注意点
避難場所へ向かう際は、事前に家族で決めた避難経路を通ります。安全に移動するためのポイントです。
- 避難経路の確認: ハザードマップなどで確認した、より安全な避難経路を選びます。川沿いや崖の近く、狭い路地、自動販売機やブロック塀のそばなど、危険な場所は避けて通りましょう。
- 移動は徒歩で: 災害時は車での移動が困難になることが多いです。渋滞に巻き込まれたり、緊急車両の妨げになったりする可能性もあるため、原則として徒歩で避難します。
- 家族は一つにまとまって: 家族が離ればなれにならないように、手をつなぐ、声かけをするなどして、常に一緒に移動します。
- 小さなお子さんと一緒に避難:
- 必ず手をつないでください。
- 抱っこひもやおんぶひもを使うと両手が使えて安全です。
- ベビーカーは、道路の状況によっては使えない場合があります。段差や瓦礫が多い場合は、畳んで持ち運ぶか、置いていくことも考えなければなりません。
- 子供に「怖いね」「大丈夫だよ」など声をかけ、安心させてあげてください。
- 高齢者や体の不自由な家族と一緒に避難:
- ゆっくりとしたペースで移動します。
- 必要に応じて体を支えたり、介助したりします。
- 休憩をこまめにとり、水分補給を促します。
- 車椅子を使用している場合は、段差や傾斜の少ない、より安全な避難経路を事前に確認しておくことが重要です。介助者が複数いるとより安全です。
- 「一緒にいるから大丈夫だよ」と優しく声をかけ、安心させてあげてください。
- ペットと一緒に避難(同行避難):
- 多くの避難所では、ペットと一緒に避難できるスペースが限られています。事前に市町村の情報を確認しておきましょう。
- ペットは必ずキャリーケースに入れるか、リードをつけてください。
- ペットフードや水、食器、おもちゃ、排泄物の処理用品なども忘れずに持ちます。
- 他の避難者に迷惑をかけないように配慮が必要です。
避難中は、周囲の状況をよく見て、落ち着いて行動することが大切です。他の避難者と助け合う気持ちも忘れずに持ちましょう。
避難所に着いたら
地域の指定避難所に到着したら、まず受付で名前や人数などを伝えます。避難所では、多くの人が共同で生活するため、ルールがあります。
- 避難所のルール:
- 使用できるスペースが決められています。
- 食事や水の配給時間があります。
- ゴミの分別や清掃についてルールがあります。
- ペットに関するルールがある場合があります。
- プライバシーに配慮し、大きな声で話したり、夜間に騒いだりしないように気をつけましょう。
避難所のスタッフの指示に従い、他の避難者の方々と協力しながら過ごしましょう。
まとめ:家族でシミュレーションしてみましょう
災害時の安全な避難は、事前の準備と、家族みんなの協力が不可欠です。
- 避難場所と避難経路を家族みんなで確認する
- 非常用持ち出し袋の準備と点検をする
- 家を出る前の最終確認を練習する
- 家族構成に合わせた安全な移動方法を話し合う
これらのことを、実際に避難行動をイメージしながら家族でシミュレーションしてみると、より具体的に理解できます。小さなお子さんには絵や写真を見せながら、高齢のご家族にはゆっくりと時間をかけて説明するなど、家族それぞれの状況に合わせて伝え方を工夫しましょう。
もしもの時に、家族みんなが落ち着いて安全に行動できるよう、日頃から話し合い、準備を進めていきましょう。