もしもの時、家族で決めておく「合図」と「声かけ」の練習方法
もしもの時、家族の安全を確認するための「合図」と「声かけ」
大きな地震や台風などの災害が起きると、家族が離れ離れになってしまうことがあります。そのような時、すぐに電話がつながらなかったり、大きな音で声が聞こえにくかったりするかもしれません。
もしもの時に、家族がお互いの安全を確認したり、居場所を伝えたりするために、事前に「合図」や「声かけ」の方法を家族みんなで決めて、練習しておくことが大切です。特に、まだ日本語が十分でないお子さんや、耳が遠くなったご高齢の家族がいる場合は、言葉以外の伝え方や、分かりやすい声かけがとても役立ちます。
ここでは、家族で一緒にできる「合図」や「声かけ」の決め方、そして練習方法をご紹介します。
声が出せない時、遠くにいる時の「合図」を決める
災害の状況によっては、大声が出せない、あるいは遠くにいて声が届かないことがあります。そんな時のために、簡単な「合図」を決めておきましょう。
- 声が出せない状況での合図:
- 例えば、閉じ込められてしまった時など、声が出せない状況で助けを求める合図です。
- 何かを「トントン」と叩く回数で意味を決めます。(例:「トントン、トントン、トントン」と3回叩いたら「助けて」、続けて叩いたら「ここにいるよ」など)
- 笛やブザーなどの音を使うことも考えられます。
- 家族みんなが覚えやすい、シンプルな合図にすることが大切です。
- 遠くにいる家族への合図:
- 広い場所や避難所で、遠くにいる家族を見つけた時に気づいてもらうための合図です。
- 事前に決めた色のハンカチやタオルを振る。
- 懐中電灯の光を特定の回数だけ点滅させる。
- 手で特定の形を作る。(例:両手で大きな丸を作るなど)
- これは、家族が約束した場所(例:近くの公園、避難所の入り口など)で落ち合うことができた時の、相手を見つけるための助けにもなります。
これらの合図は、絵を描いたり、簡単なリストにしたりして、家族みんなが見て分かるようにしておくと良いでしょう。(図解やリストの挿入を想定しています)
家族を安心させる「声かけ」を練習する
災害が起きると、誰もが不安になります。特に、お子さんやご高齢の家族は、より大きな不安を感じやすいかもしれません。そのような時、家族からの安心できる声かけは、大きな支えになります。
具体的な場面を想像して、どんな声かけをするか考えてみましょう。
- 地震の揺れが止まった直後:
- まずは「大丈夫だよ」「ここにいるよ」と、無事であることを伝えます。
- お子さんには「怖かったね、でももう大丈夫だよ」と寄り添う言葉をかけます。
- 次に取るべき行動(例:「すぐに火を消そう」「机の下にもう一度隠れて」)を、落ち着いて、分かりやすい言葉で伝えます。
- 避難場所で家族と会えた時:
- 無事だったことを喜び、「会えてよかった」「よく頑張ったね」と伝えます。
- その後の状況について、知っている情報を落ち着いて共有します。
- 家族がパニックになりそうな時:
- 相手の目を見て、ゆっくりとした口調で話しかけます。
- 「大丈夫、落ち着いて」「一緒に深呼吸しよう」など、具体的な行動を促す声かけをします。
- 体の震えや過呼吸がある場合は、背中をさするなど、優しく体に触れることも安心につながることがあります。
これらの声かけの例を参考に、ご自身の家族に合った、優しくて分かりやすい言葉を考えてみてください。難しい言葉を使わず、短い文で伝える練習も効果的です。
家族みんなで楽しく「練習」する
決めた「合図」や「声かけ」は、一度決めるだけでなく、家族みんなで繰り返し練習することが大切です。練習することで、もしもの時に自然と体が動くようになります。
- 日常の短い時間を使う:
- 食事の後や寝る前など、家族が集まる短い時間に「今日の合図は何だったかな?」「こんな時、どんな声かけをする?」などと話してみましょう。
- ゲームやロールプレイングで:
- 「もし地震が起きたら?」と場面を決めて、家族で役割を決めて行動する「防災ごっこ」をしてみましょう。
- 「声が出せないジェスチャーゲーム」のように、合図を使って伝言ゲームをするのも良い練習になります。お子さんも楽しく参加できます。
- 場所を変えて練習する:
- 家の中だけでなく、近くの公園やスーパーなど、普段行く場所で「もしここで家族が離れたら、どこで会う?」「その時、どんな合図を送る?」などと話してみるのも実践的です。
- 定期的に繰り返す:
- 年に一度の防災の日だけでなく、季節の変わり目など、時期を決めて家族で合図や声かけを確認し、練習しましょう。
練習を重ねることで、もしもの時でも家族みんなが落ち着いて、お互いを助け合うことができるようになります。
まとめ
もしもの災害時に、家族の安全を守るためには、事前の準備と家族のコミュニケーションが欠かせません。今回ご紹介した「合図」や「声かけ」の決め方、そして家族みんなでの練習は、そのための大切なステップです。
家族で話し合い、笑いながら練習することで、防災の知識だけでなく、家族の絆も深まります。今日から、ぜひ「わが家の合図と声かけ」を家族みんなで決めて、楽しく練習を始めてみてください。