家族みんなでチェック！マンション・アパートの防災対策
はじめに：マンション・アパートの防災を考えましょう
日本で暮らしている皆さん、こんにちは。「やさしい日本語・多言語防災ナビ」です。
地震や台風などの災害は、いつ起きるかわかりません。大切な家族と一緒に、もしもの時に備えておくことはとても重要です。
多くの外国人住民の方が、マンションやアパートなどの集合住宅に住んでいると思います。集合住宅での防災対策は、一戸建ての家とは少し違う点があります。
このページでは、マンションやアパートで暮らす皆さんが、家族みんなでできる防災対策について、具体的に説明します。家族の安全を守るために、一緒に考えてみましょう。
自宅の中でできる防災対策
まず、皆さんが毎日を過ごす自宅の中でできる対策です。
家具の固定をする
大きな地震が起きたとき、家具が倒れてけがをしたり、避難の邪魔になったりすることがあります。背の高い家具は、壁に固定することが大切です。
マンションやアパートでは、壁に穴を開けることが難しい場合があります。その時は、以下のような方法で対策をしましょう。
- 突っ張り棒（つっぱりぼう）： 家具の上と天井の間に設置して、家具が倒れるのを防ぎます。家具の幅に合うものを選びましょう。
- L型金具（えるがたかなぐ）： 壁と家具を固定する金具です。賃貸物件では、壁に穴を開けても良いか事前に大家さんや管理会社に確認が必要です。
- 粘着マット（ねんちゃくまっと）： 家具の下に敷いて、揺れで家具が滑るのを防ぎます。
家族みんなで家の中を見回して、倒れそうな家具がないか確認し、安全な場所に置き場所を変えたり、固定したりする対策を進めましょう。
非常用持ち出し袋と備蓄品を準備する
もしもの時に、すぐに持って逃げられる「非常用持ち出し袋」や、自宅で安全に過ごすための「備蓄品（びちくひん）」は、マンション・アパートでも必要です。
これらは、いつでも使えるように、玄関の近くなどすぐに持ち出せる場所に置きましょう。非常用持ち出し袋の中身については、別の記事でも詳しく説明していますので、参考にしてください。
マンションやアパートでは、収納スペースが限られている場合もあります。備蓄品は、普段から少し多めに買って、古いものから使う「ローリングストック法」を取り入れると、無理なく備えられます。
窓ガラスの安全対策
地震で窓ガラスが割れると、危険なだけでなく、風雨が入ってくる原因にもなります。
ガラス飛散防止フィルム（がらすひさんぼうしふぃるむ）を窓ガラスに貼ると、割れた時にガラスが飛び散るのを防ぐことができます。ホームセンターなどで手に入ります。
マンション・アパートの共用部分と避難について
マンション・アパートには、他の人も使う共用部分（きょうようぶぶん）があります。災害時には、この共用部分が安全に避難するために非常に重要になります。
避難経路を確認する
火事や地震の場合、エレベーターは止まって使えなくなります。必ず階段を使って避難することになります。
家族みんなで、自分たちの部屋から一番近い階段や非常口（ひじょうぐち）までの道を確認しておきましょう。昼間だけでなく、夜でもわかるように、非常灯（ひじょうとう）の位置なども確認しておくと良いです。
共用部分に物を置かない
マンションやアパートの廊下（ろうか）や階段に、自転車や荷物などを置いている家庭があるかもしれません。しかし、これはもしもの時に避難の邪魔になります。
災害時には、多くの人が慌てて避難するため、共用部分に物があると、転倒したり避難が遅れたりする危険があります。自分の家庭だけでなく、マンション全体の安全のために、共用部分には物を置かないようにしましょう。これはマンションのルールで決まっている場合が多いです。
管理組合や大家さんとの情報共有
マンションには「管理組合（かんりくみあい）」がある場合や、大家さんがいる場合があります。災害が起きたとき、管理組合や大家さんから、建物の被害状況や今後の対応についてのお知らせがあるかもしれません。
日頃から、管理組合のお知らせをチェックしたり、連絡方法を確認したりしておくと、災害時に必要な情報を早く手に入れることができます。外国人向けの情報を発信してくれる管理組合や大家さんもいるかもしれません。
家族で話し合うこと・確認すること
マンション・アパートでの防災対策で、家族みんなで話し合って決めておくべきこと、確認しておくべきことをまとめました。
チェックリスト：家族で確認しましょう
以下のリストを使って、家族みんなで話し合い、準備を進めてみましょう。
- [ ] 家の中の家具は固定しましたか？（突っ張り棒、L型金具、粘着マットなど）
- [ ] 非常用持ち出し袋は準備できていますか？（食料、水、常備薬、携帯トイレなどを確認）
- [ ] 備蓄品は十分にありますか？（３日〜１週間分を目安に、水、食料などを確認）
- [ ] 窓ガラスの飛散防止対策をしましたか？
- [ ] 自宅から一番近い階段や非常口までの道を確認しましたか？
- [ ] 家族みんなで階段を使って、外に出る練習をしましたか？
- [ ] マンションの共用部分に、避難の邪魔になる物を置いていませんか？
- [ ] 災害時の管理組合や大家さんからの情報を受け取る方法を確認しましたか？
- [ ] 災害用伝言ダイヤルやSNSなど、家族の安否を確認する方法を話し合いましたか？（特に家族がバラバラの時にどうするか）
- [ ] 地域のハザードマップで、住んでいるマンションやアパートの場所の災害リスクを確認しましたか？
- [ ] マンションから一番近い避難場所（ひなんばしょ）を確認しましたか？
これらの項目を家族みんなでチェックし、できていないことがあれば、いつまでにやるかを決めましょう。子供と一緒に絵を描いて避難経路を確認したり、備蓄品を一緒に準備したりするのも良い方法です。家族みんなで話し合う「防災会議」を開くのもおすすめです。
まとめ：家族で協力して備えましょう
マンションやアパートでの防災対策は、自宅の中だけでなく、共用部分のことも考える必要があります。そして、何よりも大切なのは、家族みんなで協力して準備し、もしもの時にどう行動するかを話し合っておくことです。
この情報が、皆さんの家族の安全を守るために役立つことを願っています。分からないことや心配なことがあれば、住んでいる地域の役所（自治体）に相談してみることも考えてみましょう。
「やさしい日本語・多言語防災ナビ」では、これからも外国人住民の皆さんの役に立つ防災情報を発信していきます。