もしもの火災に備える!家族みんなで確認する自宅の火災対策
はじめに
地震や台風だけでなく、火災も私たちの生活にとって大きな危険の一つです。火災は、いつ、どこで起こるか予測できません。自宅での火災は、家族の命や大切な財産を危険にさらします。
特に、小さなお子さんや高齢の家族がいる場合、火災発生時に落ち着いて行動することが難しくなることがあります。そのため、家族みんなで火災について学び、事前にしっかりと備えておくことが非常に重要です。
この記事では、火災から家族を守るために、自宅でできる火災予防のポイントや、万が一火災が起きた場合の初期行動、そして家族で一緒にできる準備について分かりやすく説明します。
自宅での火災を予防するためのポイント
火災の多くは、私たちのちょっとした不注意から起こります。日頃から家族みんなで以下の点に注意し、火災の発生を防ぎましょう。
- 火の元の確認を習慣にしましょう:
- 料理中は火元から離れないようにしましょう。特に揚げ物をする際は注意が必要です。
- コンロの周りに燃えやすいものを置かないようにしましょう。
- 寝る前や外出前には、ガスコンロの火が消えているか、暖房器具の電源が切れているかなどを必ず確認しましょう。
- 電気製品の安全な使い方:
- たこ足配線は避け、コンセントの容量を超えないようにしましょう。
- プラグにホコリがたまると火災の原因になることがあります。定期的に掃除をしましょう。
- 電化製品のコードが傷んでいないか確認し、傷んでいる場合は使用を控えましょう。
- 暖房器具の正しい使い方:
- ストーブの近くに洗濯物や布団など燃えやすいものを置かないようにしましょう。
- 使用中は換気を十分に行いましょう。
- タバコの火の始末:
- 寝タバコは絶対にやめましょう。
- 灰皿には水を入れ、完全に火が消えていることを確認してから捨てましょう。
- 子供だけで火を使わせない:
- ライターやマッチは子供の手の届かない場所に保管しましょう。
- 子供には火の危険性についてしっかりと伝えましょう。
住宅用火災警報器について
住宅用火災警報器は、火災によって発生する煙や熱を感知し、音で知らせてくれる機器です。火災の早期発見に非常に役立ちます。
- どこに設置するの?
- 寝室や階段などに設置が義務付けられています(お住まいの地域によって詳細が異なりますので、自治体の情報をご確認ください)。
- 台所への設置も推奨されています。
- 定期的に点検しましょう:
- ボタンを押したり、ひもを引いたりして、音が鳴るか確認しましょう。
- 電池式のものは、電池切れのサインが出ていないか確認しましょう。
- 点検方法はお使いの機器の説明書を見てください。
- 交換の目安:
- 住宅用火災警報器は、古くなると性能が低下します。設置から10年を目安に交換しましょう。
家族みんなで警報器の場所と、警報音が鳴ったときにどうするかを知っておくことが大切です。
消火器について
初期の小さな火災であれば、消火器を使って火を消し止められる場合があります。
- どんな消火器があるの?
- 家庭用の消火器には、粉末タイプや強化液タイプなどがあります。住宅用消火器は、比較的軽く、操作も簡単です。
- どこに置くと良いの?
- 火を使う場所の近く(台所など)、いざという時にすぐに使える場所に置きましょう。
- 湿気の少ない、直射日光の当たらない場所を選びましょう。
- 使い方は?
- 安全ピンを引き抜く。
- ホースの先を火元に向ける。
- レバーを握る。
- 火元全体にかけるように噴射する。
- 消火器には使用方法が絵で描かれていますので、家族みんなで確認しておきましょう。
- 点検と交換:
- 消火器にも使用期限があります。本体に表示されている使用期限を確認しましょう。
- レバーについている安全ピンが外れていないか、本体にサビや変形がないかなどを定期的に確認しましょう。
初期消火は、火が小さいうちに限定されます。天井に火が燃え移るなど、火が大きくなってしまった場合は、消火器での消火は諦め、すぐに避難することが重要です。
もしも火事が起きたら?家族みんなで取るべき行動
万が一、火災が起きてしまったら、パニックにならず、落ち着いて行動することが大切です。
- 大声で周りに知らせる: 「火事だ!」と大声で叫び、家族や近所の人に知らせましょう。
- 初期消火(可能であれば): 火がまだ小さく、すぐに消火器や水で消せそうな場合は、安全を確保しながら初期消火を試みます。
- すぐに避難: 火が大きくなった場合や、初期消火が難しいと判断した場合は、すぐに避難を開始します。
- 煙に注意: 火災で一番怖いのは煙です。煙を吸い込まないように、姿勢を低くして逃げましょう。濡らしたタオルやハンカチで口や鼻を覆うと効果的です。
- 燃えているものには触らない: 熱くて危険です。
- ドアを開けるときは注意: ドアが熱い場合は、向こう側が燃えている可能性があります。安易に開けないようにしましょう。開ける際は、少しだけ開けて熱や煙の状況を確認しましょう。
- エレベーターは使わない: 火災時にはエレベーターが停止する危険があります。必ず階段を使いましょう。
- 消防に通報(119番): 安全な場所に避難したら、すぐに119番に電話をして消防に火災を知らせてください。日本語が難しい場合は、多言語対応の電話通訳サービスを利用できる場合があります(自治体にご確認ください)。
- 避難場所へ: 家族と合流し、あらかじめ決めておいた避難場所(公園など安全な屋外)へ避難しましょう。
家族での話し合いと避難経路の確認
火災発生時に家族みんなが安全に避難するためには、日頃からの準備と話し合いが不可欠です。
- 避難経路を決める: 自宅のどこから火災が起きても、安全に外へ逃げられる経路を複数決めておきましょう。
- 避難の際の約束事:
- 「火事が起きたら〇〇に集合しよう」というように、家族の集合場所を決めておきましょう(家の中では危険なため、まずは家の外の安全な場所)。
- 小さなお子さんや高齢の家族をどう誘導するか、誰が誰を助けるかなど、役割分担を決めておくと良いでしょう。
- 火災時は電気を消してから逃げる、ドアを閉めて逃げる(延焼を防ぐため)など、具体的な行動を話し合いましょう。
- 避難訓練をしてみましょう: 決めた避難経路を使って、実際に外に出てみる訓練をしてみましょう。夜間や煙がある状況を想定した訓練も効果的です。子供と一緒にゲーム感覚でやってみるのも良いでしょう。
- 障害物の確認: 避難経路の途中に避難の妨げになるようなもの(家具や荷物など)がないか確認し、整理しておきましょう。
まとめ
火災は、いつ起こるか分からない恐ろしい災害です。しかし、日頃からの予防を心がけ、万が一の時のための準備をしっかりと行っておけば、家族の安全を守る可能性が高まります。
この記事でご紹介した火災予防のポイント、住宅用火災警報器や消火器の確認、そして火災発生時の避難行動や家族での話し合いは、どれもすぐに始められる大切な準備です。
ぜひ、この機会にご家族で火災について話し合い、安全な毎日を送るための第一歩を踏み出してください。地域の消防署や自治体でも防災に関する情報を提供していますので、分からないことがあれば相談してみるのも良いでしょう。