もしも避難情報が出たら?家族みんなで確認!警戒レベルと取るべき行動
災害時に命を守るための「警戒レベル」とは
地震や台風、大雨など、自然災害が起こる可能性があるとき、私たちは「いつ」「どのように」行動すれば安全かを知ることが非常に重要です。テレビやラジオ、インターネットなどで「避難情報」という言葉を聞くことがあるかもしれません。この避難情報は、私たちに危険が迫っていることを知らせ、安全な行動を促すための大切なサインです。
日本では、災害の危険度と、それに応じて取るべき避難行動を分かりやすく伝えるために、「警戒レベル」という5段階の指標が使われています。この警戒レベルを家族みんなで理解しておくことは、もしもの時に命を守るための大きな助けになります。
この記事では、警戒レベルがそれぞれ何を意味するのか、そしてそのレベルが発表されたときに、家族でどのように行動すればよいのかを具体的にお伝えします。
警戒レベルとは?
警戒レベルは、国が定めた災害に関する情報提供のルールです。レベル1からレベル5まであり、数字が大きくなるほど危険が高まります。自治体は、この警戒レベルを使って、住民に「避難に備える」「避難を開始する」といった情報を発令します。
大切なのは、この警戒レベルを見て、自分や家族が今いる場所が安全か、これからどう動けばよいかを判断することです。
各警戒レベルと家族の行動
ここでは、それぞれの警戒レベルが発表されたときに、家族みんなで確認し、取るべき行動の目安をご紹介します。
### レベル1:早期注意情報
- 意味: 災害が発生する可能性が高まっています。まだ危険は迫っていませんが、注意が必要です。
- 家族の行動:
- テレビ、ラジオ、インターネットなどで、お住まいの地域の最新の気象情報や防災情報を確認しましょう。
- 自治体のウェブサイトやハザードマップを見て、自宅や家族がいる場所(学校、職場など)にどのような災害の危険があるかを確認しましょう。(例:洪水の可能性があるか、土砂崩れの危険がある場所に近いかなど)
- 家族で、防災について少しだけ話す時間を持つと良いでしょう。「もし大雨が降ったらどうする?」など、軽い気持ちで話してみましょう。
### レベル2:大雨・洪水・高潮注意報 / 乾燥注意報 など
- 意味: 災害が発生するおそれがあります。注意報が発表されるレベルです。
- 家族の行動:
- ハザードマップで確認した避難場所や、そこまでの安全な道を改めて確認しましょう。家族みんなで地図を見ながら話すのも良い方法です。
- 非常用持ち出し袋の中身が必要な分だけ入っているか、消費期限が切れていないかなどをチェックしましょう。いつでも持ち出せるように準備しておきます。
- 避難が必要になった場合に、家族でいつ、どこに避難するか、連絡はどのように取るかなどを具体的に話し合いましょう。
- 自治体からの情報だけでなく、天気予報なども頻繁に確認し、状況の変化に注意しましょう。
### レベル3:高齢者等避難
- 意味: 危険な場所から避難が必要です。特に、避難に時間がかかる方(高齢者、体の不自由な方、小さなお子さんや妊婦さんがいる家族など)は避難を開始してください。
- 家族の行動:
- もし、家族の中に高齢者や小さな子供、体の不自由な方など、避難に時間がかかる方がいる場合は、安全な場所(親戚や知人の家など、安全な場所にある指定避難所など)へ避難を開始しましょう。
- 対象ではない家族も、この後いつ避難が必要になるか分かりません。すぐに避難できるように、準備を済ませておきましょう。
- 家族が離れた場所にいる場合は、連絡を取り合い、状況を伝え合いましょう。事前に決めておいた連絡方法や集合場所を再確認します。
- 大切なポイント: レベル3は「全員避難」の合図ではありません。危険が本格的に高まる前に、避難に時間のかかる人が先に逃げるための情報です。この情報が出たら、「もうすぐ全員が避難するかもしれない」と考えて準備を急ぎましょう。
### レベル4:避難指示
- 意味: 危険な場所から全員が避難する必要があります。速やかに安全な場所へ避難してください。
- 家族の行動:
- すぐに安全な場所へ避難を開始してください。立ち止まったり、様子を見に行ったりするのは大変危険です。
- 避難先は、自治体が指定する避難所だけではありません。安全な場所にある親戚や知人の家も選択肢です。
- もし、家の周りが浸水したり、道が壊れたりして外へ避難するのが難しい場合は、自宅のより安全な場所へ移動することも考えます。(例:マンションなら上の階へ移動する「垂直避難」、山の近くなら山から離れた部屋へ移動するなど)
- 家族が一緒にいる場合は、励まし合いながら落ち着いて行動しましょう。離れている場合は、安否確認の方法を使って連絡を取り合いましょう。
- 大切なポイント: レベル4は、原則として全員が避難を完了しなければならないレベルです。この情報が出たら、ためらわずに安全な場所へ移動してください。
### レベル5:緊急安全確保
- 意味: 既に災害が発生している、または差し迫っています。命が非常に危険な状況です。
- 家族の行動:
- 安全な場所にいる人は、そのまま留まってください。 外に出て避難することは、かえって危険な場合が多いです。
- もし自宅などにいて危険な場所にいる場合は、今から避難場所へ移動するのは非常に危険です。建物の少しでも安全な場所(がけや川から離れた部屋、建物の中で一番高い場所など)へ移動し、身を守るための最善の行動を取ってください。
- 大切なポイント: レベル5は、既に危険が迫っている、または発生している状況で出される情報です。この情報が出てから避難を始めるのは、手遅れになる可能性が高いです。レベル4の段階で避難を完了することが何よりも重要です。
家族での確認と話し合いが大切です
警戒レベルの意味と、それぞれのレベルで取るべき行動を家族みんなで理解しておくことは、もしもの時にとても役立ちます。特に、日本語の読み書きが苦手な家族がいる場合は、言葉だけでなく、イラストや写真を見せながら説明したり、色分けされた表などを使ったりすると分かりやすいでしょう。
「レベル3が出たら、おばあちゃんと小さい子は先に避難する」「レベル4が出たら、お父さんとお母さんも避難所に一緒に行く」など、具体的な状況を想像しながら話し合っておくと、いざという時に慌てずに済みます。
地域の情報源を確認しましょう
災害に関する情報は、自治体のウェブサイト、防災無線、テレビ、ラジオ、スマートフォンアプリなど、さまざまな方法で提供されます。お住まいの自治体がどのような方法で情報を発信しているか、多言語対応の情報源はあるかなどを事前に確認しておきましょう。複数の情報源をチェックすることで、より正確な情報を得ることができます。
まとめ
自治体から発表される警戒レベルは、私たちに避難のタイミングを教えてくれる大切なサインです。レベルの意味を理解し、レベルに合わせて取るべき行動を家族みんなで確認しておくことで、もしもの時に冷静かつ迅速に動くことができます。
日頃から家族で防災について話し合い、地域の避難情報に注意を払い、早めの行動を心がけましょう。あなたの、そして家族みんなの命を守るために、今できることから始めていきましょう。