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もしもの時に食べ物に困らない!家族みんなで始める「ローリングストック」

Tags: 防災, 備蓄, 食料, ローリングストック, 家族

はじめに:なぜ食べ物の備えが必要なのでしょうか?

地震や台風、大雨などの災害が起きたとき、電気やガス、水道などのライフラインが止まったり、お店が開かなくなったりすることがあります。そのような時でも、家族みんなが普段と変わらない生活を続けるために、食べ物や飲み物の備えはとても大切です。

特に、小さなお子さんや高齢のご家族がいるご家庭では、食べるものがない、いつもの味が恋しい、といったことが大きな不安につながることもあります。

この記事では、特別な非常食だけではなく、普段から食べているものを上手に備蓄する方法「ローリングストック」について、家族みんなで一緒に始める方法をご紹介します。

「ローリングストック」とはどのような備蓄方法ですか?

ローリングストックとは、「普段使っているものを少し多めに買って、使った分だけ補充する」という備蓄の方法です。

たとえば、いつもの買い物でレトルトカレーを1つ多く買っておき、ストックしておきます。そして、ストックしておいたレトルトカレーを食べたら、また次の買い物の時に1つ多く買って補充します。これを繰り返すことで、常に一定量の食料が家にあり、しかも古いものから使うので、消費期限が過ぎてしまう心配が少なくなります。

これは、災害が起きた時に初めて特別な非常食を開けるのではなく、普段から食べ慣れたものを備蓄できる、無理なく続けられる方法です。

ローリングストックのメリット

ローリングストックには、次のようなメリットがあります。

家族みんなでローリングストックを始めるステップ

ローリングストックは、家族みんなで取り組むと、より楽しく、効果的に続けられます。

ステップ1:普段食べているものをリストアップしましょう

まず、家族みんなで集まって、普段の食事でよく食べるもの、災害時でも簡単に食べられるものを話し合ってリストにしてみましょう。

このとき、家族のアレルギーや好き嫌い、お子さんや高齢のご家族が食べやすいもの(柔らかいもの、飲み込みやすいものなど)を考慮することが大切です。

ステップ2:どれくらいの量を備蓄するか目標を決めましょう

一般的には、家族が最低3日分、できれば1週間分の食料を備蓄することが推奨されています。

ステップ1で作ったリストを見ながら、「このレトルトカレーは家族みんなで2回分かな」「パックご飯は一人1食1パックだから、3日分だと家族×3食×3日分いるね」というように、必要な量を計算してみましょう。

最初から1週間分すべて揃えなくても大丈夫です。まずは3日分を目標に、少しずつ増やしていくのがおすすめです。

ステップ3:普段の買い物で少し多めに買いましょう

いつものスーパーやコンビニで、ステップ2で決めた目標量になるように、リストアップしたものを1つ、2つと多めに買ってきます。

ステップ4:古いものから順番に使いましょう(消費期限をチェック!)

家にストックしてあるものを食事に使うときは、必ず消費期限が近いものから使いましょう。

食品をしまう場所を決めておき、新しく買ってきたものは後ろに、古いものは手前に置くようにすると、順番に使いやすくなります。

ステップ5:使った分を補充しましょう

ストックしてあったものを食べたら、次の買い物の時にその分を忘れずに補充します。これが「ローリング」の部分です。この習慣をつけることで、常に必要な量が保たれます。

ステップ6:家族で役割分担を決める

家族みんなで協力するために、誰が何を担当するか決めるのも良い方法です。

お子さんにもできること(例:消費期限が近いものを教えてもらう)をお願いすると、防災について考える良い機会になります。

ローリングストックにおすすめの食品

ローリングストックに向いているのは、常温で長期間保存できる食品です。

特に、は生きていく上で最も重要です。飲むためだけでなく、料理や衛生のためにも必要なので、一人1日3リットルを目安に備蓄しましょう。ローリングストックで備えるのに加え、長期保存水も用意しておくと安心です。

保管場所と注意点

まとめ:家族みんなで、今日から始めましょう

ローリングストックは、災害時でも安心して「食べる」ことができるように、普段の生活の中で無理なくできる備蓄方法です。

家族みんなで一緒に、どんなものが家に必要か話し合い、買い物の時に少し意識して、古いものから使う。このシンプルなステップを続けることで、わが家の安心につながります。

防災は特別なことではありません。このように、普段の生活の中に少しずつ取り入れることが大切です。家族みんなで協力して、ローリングストックを始めてみませんか。