もしもの時に困らない!わが家の「食べる・飲む」防災備蓄
なぜ「食べる・飲む」備蓄が必要なのでしょうか?
地震や台風などで電気やガス、水道などのライフラインが止まってしまうことがあります。また、災害が起きた時に、すぐに避難所へ行けない場合や、避難所がたくさんの人でいっぱいになることも考えられます。
そのような状況でも、自宅で安全に過ごせるようにするために、水や食料などを準備しておくことはとても大切です。これを「防災備蓄」といいます。特に、小さなお子さんやお年寄りがいるご家庭では、食べ慣れたものや、それぞれの家族に合ったものを備えておくことが安心につながります。
どれくらいの量を用意すれば良いですか?
災害が起きた後、ライフラインが復旧するまでには時間がかかることがあります。一般的には、最低3日分の水と食料が必要だと言われています。できれば1週間分を用意しておくと、より安心できます。
必要な量は、家族の人数によって変わります。
- 水: 1人1日あたり 3リットル が目安です。飲むだけでなく、手を洗ったり、料理に使ったりするためです。
- 食料: 家族が1日に食べる量を目安に、日数分を用意します。
例えば、4人家族で3日分を用意する場合: * 水: 4人 × 3リットル/人 × 3日 = 36リットル * 食料: 4人 × 3日分の食事
どんなものを備蓄すれば良いですか?
特別なものを用意する必要はありません。普段から食べ慣れているもので、長期間保存できるものがおすすめです。
1. 水
飲むための水として、ペットボトル入りの水が最も一般的です。長期間保存できる「長期保存水」もありますが、普通のペットボトル入りの水でも、賞味期限を確認しながら定期的に交換すれば大丈夫です。
2. 食料
電気やガスが使えない状況を考えて、加熱しないでそのまま食べられるものや、簡単な調理で食べられるものを中心に選びましょう。
- ご飯: アルファ化米(お湯や水を加えるだけで食べられるご飯)、パックご飯、乾パンなど
- 主食以外: 缶詰(魚、肉、野菜、果物)、レトルト食品(カレー、丼の具など)、フリーズドライ食品(スープ、おみそ汁)
- 麺類: カップ麺(水でも戻せるものも)、インスタントラーメン
- その他: おかゆ、お餅、シリアル、栄養補助食品、チョコレート、ビスケット、キャンディーなどのお菓子
ローリングストックを取り入れましょう
「ローリングストック」とは、普段から少し多めに食料品を買い置きしておき、使った分だけ新しく買い足していく方法です。これにより、常に一定量の備蓄を保ちながら、食料品の賞味期限が切れるのを防ぐことができます。例えば、インスタントラーメンや缶詰、レトルト食品などを普段から少し多めに買い、古いものから日常的に使い、減った分を買い足します。
3. 家族に合わせた特別な備蓄
- 乳幼児がいる家庭: 粉ミルク、離乳食、使い捨て哺乳瓶、おむつ
- 高齢者がいる家庭: 柔らかいもの、食べやすいもの、おかゆ、栄養補助食品
- アレルギーがある家族: アレルギー対応の食品
- 持病がある家族: 医師と相談して必要な日数分の薬
4. 食事に必要なもの
- 簡易コンロ、カセットボンベ(換気に注意して使う)
- 缶切り、栓抜き
- 使い捨ての食器、コップ、箸、スプーン
- ラップ(食器にかぶせると洗う水を節約できる)
- アルミホイル、キッチンペーパー
- ウェットティッシュ、アルコール消毒液
どこに保管すれば良いですか?
家の中の何か所に分けて保管することをおすすめします。例えば、キッチン、リビングの収納、寝室など、すぐに取り出せる場所に分けておくと、災害で一部が壊れても他の場所の備蓄が無事である可能性が高まります。
- 高い場所ではなく、取り出しやすい場所に置きましょう。
- 直射日光が当たらない、湿気の少ない場所に保管しましょう。
- 非常用持ち出し袋に入れるものとは別に、自宅での生活用として保管します。
家族みんなで確認・更新しましょう
備蓄した水や食料には賞味期限があります。定期的に(半年に一度など)賞味期限を確認し、古いものから使って新しいものと入れ替えましょう(ローリングストック)。
家族みんなで備蓄品リストを作り、どこに何があるか、賞味期限はいつかを確認することも大切です。子供と一緒にリストを見ながら、楽しみながら準備するのも良いでしょう。お菓子などを備蓄に入れておくと、災害時の不安な気持ちを和らげるのに役立つこともあります。
まとめ
防災備蓄は、もしもの時に家族が「食べる」「飲む」ことに困らないようにするための大切な準備です。一度に全てを揃えるのが難しければ、水や食料など、できることから少しずつ始めてみましょう。
お住まいの地域の自治体のウェブサイトなどにも、防災備蓄に関する情報が掲載されている場合がありますので、参考にしてみてください。家族みんなで話し合い、わが家に合った備蓄を進めていきましょう。