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もしもの避難時、家族みんなで考える「車中避難」の準備と注意点

Tags: 車中避難, 避難方法, 家族防災, 持ち物リスト, 災害対策

はじめに:車中避難とは?

大きな災害が起きたとき、安全な場所に避難することが大切です。多くの場合、学校や公民館などが「避難所」として開かれます。しかし、避難所がいっぱいになったり、体調や特別な事情があって避難所で過ごすことが難しかったりする場合もあります。

そのようなとき、安全な場所にある車の中で一時的に過ごす「車中避難」も、一つの選択肢として考えられます。特に、小さなお子さんや高齢の家族がいる場合、プライベートな空間を保てる車中避難を選ぶ方もいます。

車中避難を選ぶ場合でも、安全に過ごすためには事前の準備と正しい知識が必要です。この情報が、もしものときに家族みんなで安全に過ごすための助けになれば幸いです。

車中避難のメリットとデメリット

車中避難には、良い点(メリット)と難しい点(デメリット)があります。これらをよく理解しておくことが大切です。

メリット(良い点)

デメリット(難しい点、注意が必要な点)

車中避難のための準備

もしものときに車中避難を選ぶ可能性を考えて、日頃から準備しておきたいことがあります。

  1. 車の点検と燃料: いつでも車を使えるように、ガソリンを半分以上入れておく、タイヤの空気圧をチェックするなど、定期的に車の点検をしておきましょう。電気自動車の場合は充電も確認してください。
  2. 車中避難用の持ち物リスト: 家族が車の中で安全に過ごすために必要なものを準備します。非常用持ち出し袋とは別に、車に積んでおくと良いものもあります。

    • 体を休めるためのもの:
      • 寝袋、毛布、ブランケット
      • クッションや枕
      • アイマスク、耳栓
    • 水分・食料:
      • 水(1人1日3リットルが目安)
      • すぐに食べられる非常食(パン、お菓子、缶詰など)
      • 紙皿、紙コップ、割り箸、スプーン、フォーク
    • 衛生用品・トイレ:
      • 簡易トイレ(携帯トイレ)
      • トイレットペーパー
      • ウェットティッシュ、除菌シート
      • 生理用品、おむつ
      • 歯ブラシ、歯磨きシート
      • ゴミ袋(消臭機能付きが便利)
    • 明かり・情報収集:
      • 懐中電灯、ランタン(電池式または充電式)
      • 予備の電池またはモバイルバッテリー
      • 携帯ラジオ(手回し充電式があると安心)
      • 車のシガーソケットやUSBポートで充電できるケーブル
    • その他:
      • 着替え、タオル
      • 常備薬、絆創膏、消毒液などの救急セット
      • ビニールシート(窓の目隠しに)
      • 窓ガラスを割るためのハンマー、シートベルトを切るためのカッター(脱出用具)
      • 現金(小銭もあると便利)
      • 保険証、免許証、母子手帳などのコピー
      • 子供のためのおもちゃや絵本
      • 高齢の家族が必要なもの(入れ歯ケース、補聴器の予備電池など)
  3. 停車場所の検討: 事前に、自分の家や職場から近い安全な場所(ハザードマップで危険な場所ではない、高台など)で、一時的に車を停められそうな場所を確認しておきましょう。他の避難者の迷惑にならない場所を選ぶ必要があります。自治体によっては、災害時に車中避難が可能な場所を指定している場合もありますので、自治体の情報を確認してください。

車中避難中の注意点と過ごし方

実際に車中避難をすることになったら、以下の点に注意して安全に過ごしましょう。

家族で話し合うこと

車中避難は、もしものときの選択肢の一つです。家族みんなで以下のようなことを事前に話し合っておくと、いざという時に落ち着いて行動できます。

まとめ

車中避難は、避難所の利用が難しい場合の有効な選択肢となり得ます。しかし、知っておくべきリスクや、十分な準備が必要です。この記事で紹介した情報を参考に、家族みんなで「車中避難」について考え、必要な準備を進めておきましょう。

もしものときに、家族みんなが少しでも安全に、そして安心して過ごせるように、日頃からの備えが大切です。