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もしもの災害時!高齢者や体の不自由な家族を守るための防災対策

Tags: 防災, 家族, 高齢者, 体の不自由, 避難計画, 災害対策, 福祉避難所

自然災害は、いつ私たちの身に降りかかるか分かりません。特に、ご家族の中に高齢の方や体に不自由がある方がいらっしゃる場合、防災対策はより一層重要になります。移動が難しかったり、特別なケアが必要だったりと、状況に応じた準備と行動が求められるからです。

このサイトは、日本に住む外国人住民の皆さんが、ご家族全員で防災について考え、行動できるようサポートすることを目的としています。この記事では、高齢の方や体に不自由があるご家族がいらっしゃるご家庭で、もしもの災害に備えてどのような準備をし、どのように行動すればよいのか、具体的な対策についてお伝えします。

事前の準備:家族で話し合い、計画を立てましょう

災害が起こってから慌てないためには、日頃からの準備がとても大切です。ご家族みんなで話し合い、具体的な計画を立てておきましょう。

1. 家族の状態を把握する

まず、ご家族の中で高齢の方や体に不自由がある方の状態を正確に把握することが重要です。

これらの点を具体的に確認し、書き出しておくと良いでしょう。

2. 避難計画を具体的に立てる

ご家族の状態に合わせて、避難計画を立てます。

(図解を想定:避難計画の書き込み例、避難ルート図など)

3. 必要なものを準備する

一般的な非常持ち出し品や備蓄に加えて、高齢の方や体に不自由がある方に特化した準備が必要です。

(チェックリストを想定:高齢者・体の不自由な家族のための持ち出し品・備蓄リスト)

4. 自宅の安全対策を見直す

高齢の方や体の不自由な方が安全に過ごせるよう、自宅の環境を確認・整備します。

5. 地域の情報を集める

お住まいの自治体や地域の情報を確認しましょう。

6. 家族内での情報共有と訓練

準備した計画や持ち物リストは、家族みんなで共有し、理解しておきましょう。定期的に「もしも」の状況を想定して、どのように行動するか話し合ったり、実際に動いてみる練習(避難訓練)をしたりすると、いざという時に落ち着いて行動できます。子供にも、おじいさんやおばあさんを助けるために何ができるか、一緒に考えてもらいましょう。

災害発生時の行動:落ち着いて、安全を確保しましょう

実際に災害が発生した場合の行動です。

1. まずは身の安全を守る

地震の揺れや台風の強風など、災害が発生したら、まずはご自身とご家族の身の安全を最優先で確保します。テーブルの下に隠れる、頭を守るなど、基本的な安全行動をとります。移動が難しい場合は、無理に動かず、安全な場所で揺れがおさまるのを待ちます。

2. 避難の判断と行動

自宅が安全で、ライフライン(電気、ガス、水道)も大丈夫な場合は、自宅にとどまることも選択肢の一つです。しかし、家が壊れる危険がある、津波や洪水で浸水する可能性があるなど、危険が迫っている場合は、安全な場所に避難しなければなりません。

避難が必要な場合は、事前に計画したルートで避難場所へ向かいます。高齢の方や体に不自由がある方のペースに合わせ、無理せず移動しましょう。介助が必要な場合は、複数人でサポートします。声をかけあい、励ましあいながら行動することが大切です。

3. 避難場所での過ごし方(福祉避難所)

地域の指定避難所は多くの人が集まるため、高齢の方や体の不自由な方にとっては負担が大きい場合があります。「福祉避難所」は、一般の避難所での生活が困難な方(高齢者、障がい者、妊産婦、乳幼児など)を受け入れるために開設される避難所です。プライバシーへの配慮や専門的なケアの提供が期待できます。ただし、開設されるまでに時間がかかる場合や、受け入れられる人数に限りがあるため、誰でもすぐに入れるわけではありません。一般の避難所に一時的に避難してから、福祉避難所へ移動することも考えておきましょう。

避難所では、周りの人との協力も大切です。困ったことがあれば、遠慮なく支援を求めてください。ご家族の状態を伝えるメモや連絡先は、すぐに取り出せるようにしておきましょう。

家族で支え合うことの大切さ

防災対策は、一人だけで行うものではありません。特に、高齢の方や体に不自由があるご家族がいらっしゃる場合、家族みんなで支え合い、協力することが最も重要です。日頃からコミュニケーションを密にし、お互いを気遣う気持ちを持つことが、もしもの時に大きな力になります。

まとめ

高齢の方や体に不自由があるご家族がいるご家庭の防災対策は、事前の丁寧な準備と具体的な計画が鍵となります。ご家族の状態を把握し、避難計画を立て、特別な配慮が必要な持ち物を準備する。そして、これらの情報を家族みんなで共有し、話し合い、定期的に見直すことが大切です。

もしもの時に、ご家族全員が安心して安全な場所へ避難し、落ち着いて過ごせるよう、今日からできることから始めてみましょう。地域の情報や自治体の支援制度についても確認し、活用してください。

この情報が、皆さんのご家庭の安全な暮らしに役立つことを願っています。