もしも水が使えなくても大丈夫!家族みんなで備える災害時のトイレ対策
災害が起きたら「トイレ」はどうなりますか?
地震や台風などの災害が起きると、電気やガスと同じように、水道も止まってしまうことがあります(これを「断水(だんすい)」といいます)。水が止まると、トイレの水も流れなくなります。
普段当たり前に使っているトイレが使えなくなると、とても困ります。トイレに行けない、流せない、衛生的ではないといった問題が起こり、家族みんながストレスを感じるかもしれません。
特に、小さなお子さんやお年寄りがいる家庭では、より具体的な準備が必要です。家族みんなで災害時のトイレについて考え、安心して過ごせるように備えましょう。
災害時のトイレ問題と、備えておきたいこと
災害で水が止まると、主に次のような問題が起こります。
- トイレを流せない: 排水管(はいすいかん)に問題がなくても、タンクに水がなければトイレは流せません。
- 衛生が悪くなる: 汚物をそのままにしておくと、病気の原因になったり、嫌なにおいが発生したりします。
- トイレの数が足りなくなる: 自宅のトイレが使えない場合、近くの公衆トイレや避難所のトイレを使うことになりますが、多くの人が集まると混雑します。
このような問題に備えるために、家庭でできる準備はたくさんあります。
家族みんなでできる!災害時のトイレ対策
1. 非常用トイレを用意する
これは、災害時のトイレ対策で最も大切で便利なものです。非常用トイレには、袋を便器にかぶせて使うタイプや、組み立てて使うタイプなどがあります。汚物を固める凝固剤(ぎょうこざい)や消臭剤(しょうしゅうざい)が付いているものが多く、衛生的に処理できます。
- ポイント: 家族の人数と、最低3日分、できれば7日分以上の非常用トイレを備蓄(びちく)しましょう。1人1日5回使うと考え、人数分を計算してください。お子さんやお年寄りは回数が増えるかもしれません。
- どこで買える?: ホームセンターやインターネット通販、ドラッグストアなどで買うことができます。
2. 簡易(かんい)トイレを作る工夫をする
非常用トイレが十分でない場合や、より手軽に準備したい場合に、自宅にあるもので簡易トイレを作る方法を知っておくと役立ちます。
- 例:
- 丈夫なゴミ袋を便器にかぶせ、その中に新聞紙やペット用の吸収シートなどを入れて使う方法。
- 段ボールなどで簡単な便座を作る方法。
- ポイント: 災害時に慌てないように、一度家族で試してみるのがおすすめです。
3. トイレ用の水を備蓄する
断水しても、トイレを流すためだけなら、飲めない水を使うこともできます。
- 例:
- お風呂に入った後の残り湯(ただし、時間が経つと雑菌が増えるので早めに使う)。
- ポリタンクなどにためておいた雨水(あまみず)。
- ペットボトルやポリタンクに水道水をためておく(飲む水とは別に、トイレ用として)。
- ポイント: トイレを1回流すのに、約4〜6リットルの水が必要です。家族の人数に合わせて、ある程度の量を確保しておくと安心です。
4. 衛生用品を準備する
トイレの後や食事の前など、手を清潔に保つことは、感染症を防ぐために非常に重要です。
- 備えておきたいもの:
- アルコール消毒液
- ウェットティッシュ(特にトイレ用と手・体拭き用)
- 石鹸
- ゴム手袋(汚物処理の際に使用)
- 消臭剤
- 丈夫なゴミ袋(汚物を捨てる用)
- ポイント: これらの衛生用品も、非常用持ち出し袋とは別に、自宅に備蓄しておきましょう。
5. 家族みんなで使い方を確認する
非常用トイレや簡易トイレの使い方は、家族みんなで知っておく必要があります。
- お子さんへの伝え方: なぜ普段のトイレが使えないのか、非常用トイレはどうやって使うのかを、絵やジェスチャーなども交えて分かりやすく説明しましょう。「これは特別な時のトイレだよ」と伝え、怖がらせないように工夫します。
- お年寄りへの伝え方: 使うのが難しくないか、使いやすいタイプの非常用トイレは何かなどを一緒に考えます。夜間の移動が危険な場合は、寝室の近くに簡易トイレを設置するなどの準備も検討します。
- 練習: 非常用トイレの袋を便器にかぶせる練習や、凝固剤を入れてみる練習などを、実際に水を使わずにやってみるのも良いでしょう。
地域のトイレ情報を確認する
住んでいる地域のハザードマップや自治体のウェブサイトで、災害時に使える公衆トイレや避難所のトイレ情報が公開されているか確認しておきましょう。多言語での情報提供があるかも調べておくと安心です。
まとめ:事前の準備が安心につながります
災害時のトイレ問題は、事前の準備で大きく負担を減らすことができます。
- 非常用トイレや衛生用品の備蓄
- トイレ用の水の確保
- 家族みんなで使い方を確認・練習する
これらの準備を、ぜひご家族で一緒に始めてみてください。具体的な準備をすることで、「もしも」の時の不安を減らし、落ち着いて対応できるようになります。
やさしい日本語・多言語防災ナビでは、これからも外国人住民の皆さんのための防災情報を提供していきます。他の記事も参考にして、ご家族みんなで防災対策を進めてください。