もしもの時に役立つ!家族みんなで地域とつながる防災のはじめ方
地域のつながりが、家族の安全を守る力になります
日本で安心して生活するために、地震や台風などの自然災害への備えはとても大切です。特に、もしもの時に家族みんなの安全を守るためには、私たち一人ひとりの準備に加えて、「地域とのつながり」が大きな力になります。
この記事では、外国人住民の皆さんが地域の防災力を高めるための第一歩として、「自治会(じちかい)」や「自主防災組織(じしゅぼうさいそしき)」といった地域のグループについて知り、家族で一緒に参加できることについてご紹介します。
自治会・自主防災組織とは何ですか?
自治会や自主防災組織は、皆さんが住んでいる地域の人々が集まって、より良い地域にするための活動をしているグループです。特に自主防災組織は、災害が起きたときに地域で助け合うこと(「共助(きょうじょ)」と言います)を目的にしています。
たとえば、以下のような活動をしています。
- 防災訓練: 災害が起きたときの行動を練習する訓練です。避難所へ歩いてみたり、消火器の使い方を学んだりします。
- 防災マップ作り: 地域にある危険な場所や避難場所などを確認して、マップを作ります。
- 備蓄: 地域の集会所などに、災害時に必要な食料や水、毛布などを保管します。
- 情報共有: 地域の人たちに防災情報を伝えたり、もしもの時に安否を確認したりします。
これらの活動は、行政(市役所や区役所など)の支援を受けながら、地域の住民が自主的に行っています。
なぜ、外国人住民にとって地域とのつながりが大切なのですか?
災害が起きたとき、地域とのつながりは非常に役立ちます。
- 正確な情報: 地域の自治会や自主防災組織は、行政からの災害情報を早く受け取り、地域の人々に伝えてくれます。日本語があまり得意でない家族がいる場合でも、地域の人が助けてくれるかもしれません。
- 助け合い(共助): 災害時には、電気や水道が止まったり、道が通れなくなったりすることがあります。このような時、地域の人々が協力して、困っている人を助けたり、避難所での生活を支えたりします。家族に高齢の方や体の不自由な方がいる場合、地域の支援が特に重要になります。
- 地域の危険を知る: 長く住んでいる地域の人々は、その場所の危険なところ(例えば、雨が多いと水が出やすい場所など)をよく知っています。地域の防災マップ作りや訓練に参加することで、家族みんなで危険を避ける方法を学べます。
- 地域の支援: 避難所の運営や、物資の配布など、災害後の支援は地域ごとに行われることが多いです。地域の一員として活動に参加していると、必要な情報や支援を得やすくなります。
地域とのつながりを始めるための第一歩
どうすれば地域の自治会や自主防災組織とつながることができますか?難しく考える必要はありません。まずは、以下のことから始めてみましょう。
- 住んでいる地域の自治体に聞いてみる: 市役所や区役所には、自治会や自主防災組織の窓口があります。「自分の地域の自治会や自主防災組織について知りたいのですが」と相談してみましょう。多言語対応をしている窓口もあります。
- 地域の掲示板や回覧板を見る: アパートやマンションの掲示板、地域の集会所などに、自治会からのお知らせが貼ってあることがあります。日本の多くの地域では、順番に文書を回覧する「回覧板」という仕組みがあります。そこに地域の集まりや活動の情報が載っていることがあります。
- 近所の人に話を聞いてみる: 勇気を出して、近くに住む日本人の住民の方に「自治会や防災活動について教えていただけますか?」と聞いてみるのも良い方法です。
- 地域のイベントに参加してみる: 地域のお祭りや清掃活動など、小さなイベントに参加してみるのも、地域の人と知り合う良い機会になります。
家族みんなでできること
地域の防災活動は、家族みんなで一緒に参加することが大切です。
- 地域の防災訓練に参加する: 自治会や自主防災組織が行う避難訓練や、消火訓練には積極的に参加してみましょう。子供と一緒に参加することで、子供も災害時の行動を学ぶことができます。もし日本語での説明が難しければ、家族で事前に内容を確認したり、自治会の人に分かりやすく説明してもらえるか相談したりしてみましょう。
- 地域のハザードマップを確認する: 地域で作られたハザードマップには、災害時に危険な場所や避難場所が詳しく載っています。家族みんなで一緒にマップを見て、もしもの時の避難経路を確認しましょう。
- 地域の連絡網や仕組みを知る: 地域によっては、災害時の連絡方法(電話、メール、アプリなど)や、安否確認の仕組みがあります。家族でこれらの方法を知っておき、いざというときに使えるようにしておきましょう。
- 地域の多言語支援について確認する: 住んでいる地域に、外国人住民を支援するための多言語での情報提供やサポート体制があるか確認してみましょう。自治会や自治体に相談すると教えてもらえます。
まとめ
もしもの災害から家族を守るためには、日頃からの準備に加えて、地域の皆さんとのつながりが非常に大切です。自治会や自主防災組織の活動に参加することは、地域での「共助」の力を高め、家族みんなが安心して暮らすことにつながります。
まずは小さな一歩から、お住まいの地域の自治体や自治会に問い合わせてみたり、地域の情報に注意してみたりすることをおすすめします。地域とのつながりを育み、家族みんなで防災力を高めていきましょう。