もしもの災害時、家族の健康を守る!アレルギー・持病がある人のための準備と避難のポイント
はじめに
災害はいつ起こるか分かりません。特にご家族の中にアレルギーや持病(慢性的な病気)のある方がいらっしゃる場合、普段から特別な準備をしておくことが大切です。もしもの時に、ご家族全員が安心して過ごせるよう、アレルギーや持病がある方のための具体的な防災対策について考えましょう。
災害に備えるための具体的な準備
アレルギーや持病のある方が安心して災害を乗り越えるためには、日頃からの準備が非常に重要です。以下の点を参考に、ご家族で一緒に確認し、準備を進めてください。
1. 普段から確認・準備しておくこと
- かかりつけ医との相談: 災害時の対応について、かかりつけの医師や薬剤師にあらかじめ相談しておきましょう。災害時に予想されること、必要な薬の量、代替薬の有無などを確認しておくと安心です。
- お薬手帳の準備: 今飲んでいる薬の名前、量、使い方、アレルギーの有無などが記録されたお薬手帳は非常に大切です。複数冊コピーを取っておくか、スマートフォンのアプリなどで情報をまとめておきましょう。
- アレルギー・持病の情報シート作成: 以下の情報をまとめた情報シートを準備します。
- 氏名、年齢、性別
- アレルギーの種類と症状(食物アレルギー、薬物アレルギー、アトピー、喘息など)
- 持病の種類と現在の病状
- 普段服用している薬の名前、量、服用方法(可能であれば写真も)
- 緊急時の連絡先(かかりつけ医、家族など)
- その他、医療的ケアで特別な配慮が必要なこと このシートは、家族だけでなく、緊急時に助けてくれる可能性のある人にも情報を正確に伝えるために役立ちます。
2. 備蓄品として準備するもの
- 必要な薬: 少なくとも1週間分、できれば2週間分程度の薬を備蓄しておきましょう。普段から多めに処方してもらうなど、医師と相談してください。薬は湿気や高温を避け、冷暗所で保管します。
- アレルギー対応食品: 食物アレルギーがある場合は、食べられる特定原材料不使用の食品や、特別なケア食品を備蓄します。普段から食べ慣れているものが良いでしょう。水、簡易調理器具、食器なども忘れずに。
- 医療機器や衛生用品:
- 点滴、チューブ、カテーテル、人工呼吸器など、必要な医療機器の予備や関連部品。
- 消毒液、絆創膏、包帯などの基本的な衛生用品。
- 持病に関連する特別な衛生用品(例:おむつ、ウェットティッシュなど)。
- その他の必要なもの:
- 眼鏡、コンタクトレンズとその保存液。
- 入れ歯とその洗浄剤。
- 予備の電池やモバイルバッテリー(医療機器用)。
- アレルギーや持病に関する情報を記したカードやメモ(財布など常に携帯する場所に)。
3. 非常用持ち出し袋への追加
家族それぞれの非常用持ち出し袋に加えて、アレルギー・持病のある方の袋には以下のものを忘れずに入れておきましょう。
- お薬手帳のコピーまたは情報データ
- アレルギー・持病の情報シート
- 数日分の薬
- アレルギー対応の携帯しやすい食品(非常食とは別に)
- 医療機器の予備や関連部品の一部
- 携帯しやすい衛生用品
- 常用しているマスクや除菌シート
災害発生時の対応と避難のポイント
もし災害が発生した場合、落ち着いて、準備したことを実行することが重要です。
1. 自宅での初期対応
地震の場合はまず身の安全を確保し、揺れが収まったら家族の状況を確認します。落ち着いて、必要な薬や医療機器が使用できるか確認しましょう。
2. 避難が必要な場合
- 持ち出し: 非常用持ち出し袋と、アレルギー・持病に関する追加の備蓄品を忘れずに持ち出します。
- 移動: 体調や状況に合わせて、安全な避難経路を選び、無理のない方法で移動します。家族が協力し、支え合いながら避難してください。
- 周囲への配慮: 移動中に周囲に助けを求める必要がある場合、アレルギー・持病の情報シートが役立ちます。
3. 避難所での生活
避難所では多くの人が共同生活を送ります。特に注意が必要な点を挙げます。
- 到着時の情報提供: 避難所に到着したら、すぐにアレルギーや持病があることを避難所のスタッフに伝えてください。情報シートを提出すると良いでしょう。これにより、必要な配慮や支援を受けやすくなります。
- 食事: 食料配給がある場合、アレルギー表示を必ず確認してください。分からない場合は、スタッフに遠慮なく尋ねましょう。もしアレルギー対応食がない場合は、事前に準備しておいた食品を利用します。
- 持病の管理: 服用時間を守って薬を飲み、体調の変化に注意してください。体調が優れない場合は、我慢せずにスタッフや医療支援チームに相談しましょう。
- 周囲への配慮と協力: 避難所では様々な人がいます。ご自身の状況を周囲に理解してもらうこと、そして周囲の人々にも配慮することが、お互いを支え合うことにつながります。
- 相談窓口の活用: 避難所には医療チームや保健師が巡回している場合があります。健康相談や精神的な不安についても、専門家に相談することができます。自治体の相談窓口の情報も確認しましょう。
家族みんなで話し合うこと
アレルギーや持病に関する防災対策は、特定の家族だけの問題ではありません。家族全員で状況を共有し、理解し合うことが大切です。
- 情報共有: アレルギーの種類、症状、必要な薬、緊急時の対応などを家族みんなで共有します。特に子供には、分かりやすい言葉で、自分のアレルギーについて説明できるように教えましょう。
- 役割分担: 災害が発生した場合、誰が何を準備するのか、誰が誰をサポートするのかなど、役割分担を決めておくとスムーズに行動できます。
- 連絡方法と合図: 災害時、家族が離れ離れになることも考えられます。そのような場合に備え、安全な場所や連絡方法、お互いの安否を確認する合図などを事前に決めておきましょう。特に持病のある方が一人でいる場合の緊急連絡方法を確認しておくことが重要です。
まとめ
災害は予測できませんが、準備はできます。ご家族にアレルギーや持病のある方がいらっしゃる場合、少し特別な準備が必要になります。大切なのは、日頃からご家族でよく話し合い、必要なものを備蓄し、情報シートなどを使って周囲と情報を共有できるようにしておくことです。もしもの時でも、落ち着いて、準備したことを思い出し、ご家族みんなで助け合いながら安全に過ごしましょう。お住まいの地域の自治体の情報や、医療機関の案内も参考に、ご自身の状況に合った準備を進めてください。