もしもの災害時、家族みんなで始める!ご近所との助け合い
災害時、なぜご近所との助け合いが大切なのでしょうか?
大きな地震や台風、大雨など、もしもの災害が起きたとき、消防車や救急車がすぐに来られない場合があります。道路が壊れたり、たくさんの場所で同時に災害が起きたりするためです。
このようなとき、最初に私たちを助けてくれるのは、近くにいる「ご近所さん」かもしれません。家族の次に頼りになるのは、日頃から顔見知りである地域の人々です。行政による「公助(こうじょ)」や、自分たち家族だけで行う「自助(じじょ)」だけでは限界があります。地域の人々がお互いに助け合う「共助(きょうじょ)」が、命を守るためにとても重要になります。
特に外国人住民の方にとって、言葉や文化の違いから、地域の人々との交流が少ないと感じることがあるかもしれません。しかし、災害時にはお互いを理解し、協力することが、家族全員の安全につながる大きな力になります。
普段からできる!ご近所との関係づくり
災害時にスムーズな助け合いをするためには、まずは普段からの関係づくりが大切です。難しく考える必要はありません。小さなことから始めてみましょう。
- 挨拶をする
- 近所の人と顔を合わせたときに、「こんにちは」「こんばんは」と挨拶をしてみましょう。顔と名前を覚えてもらうきっかけになります。
- 地域のイベントに参加する
- お祭りや運動会、清掃活動など、地域の行事があれば、家族で参加してみましょう。地域の人と話す機会が増えます。
- 防災訓練に参加する
- 地域の防災訓練は、ご近所さんと一緒に災害時の行動を学ぶ良い機会です。訓練を通して顔見知りになり、災害時の役割や避難場所を確認できます。
- 自治会の活動に参加する
- もし可能であれば、自治会や町内会の活動に参加するのも良いでしょう。地域の情報を得られたり、地域の防災活動について知ることができます。
こうした日頃の少しずつの積み重ねが、もしもの時に「あの人に助けを求めよう」「あの人を助けてあげよう」という気持ちにつながります。
もしもの災害時、ご近所とできる助け合いの具体例
災害が起きたとき、ご近所さん同士でどのような助け合いができるでしょうか。
- 安否確認(あんぴかくにん)
- 揺れがおさまった後など、安全が確認できたら、近所の高齢者や小さな子供がいる家庭に「大丈夫ですか?」と声をかけ合う。
- 家の外から「何か困っていませんか?」と尋ねる。
- 安否確認のサイン(例:無事なら玄関にタオルをかけるなど、地域で事前に決めておくこともあります)を活用する。
- 情報共有(じょうほうきょうゆう)
- テレビやラジオ、インターネットで得た正確な災害情報(避難情報、被害状況など)を、情報がない人に伝える。
- スマートフォンの多言語防災アプリやSNSで得た情報を、ご近所さんと共有する。
- 避難支援(ひなんしえん)
- 避難所へ避難するとき、一人で歩くのが難しい高齢者や、小さなお子さんを連れた家族をサポートする。
- 避難経路の危険な場所を教え合う。
- 初期消火(しょきしょうか)
- 小さな火事が起きた場合、協力して初期消火を行う。
- 救助活動(きゅうじょかつどう)
- 倒れた家具などの下敷きになった人を、協力して助け出す。
- 物資の融通(ぶっしのゆうずう)
- 水や食料など、足りないものを一時的に貸し借りする。医薬品なども含まれます。
- 声かけ、励まし
- 不安な気持ちを和らげるために、お互いに声をかけ合い、励まし合う。
これらの助け合いは、特別なスキルがなくてもできることがたくさんあります。大切なのは、「お互い様」の気持ちを持つことです。
家族で話し合おう!ご近所との助け合いについて
ご家族みんなで、もしもの時のご近所との助け合いについて話し合ってみましょう。
- 誰に声をかける?
- 日頃から挨拶をしている人、困ったときに頼りになりそうな人は誰か、家族で確認してみましょう。
- 高齢者や体の不自由な方が近くに住んでいないか、もしもの時にどのような手助けが必要かを知っておくと良いでしょう。
- どんな助けが必要?
- わが家がもしもの時に困ること(例:日本語での情報収集が難しい、子供や高齢者の避難に手助けが必要)を話し合い、もしご近所さんに助けをお願いするとしたら、どんなことかを具体的に考えてみましょう。
- 自分たちにできることは?
- 自分たち家族には、どんなことでご近所さんを助けることができるか話し合いましょう。(例:荷物を運ぶ手伝い、簡単な応急手当、持っている情報を提供する、日本語が分からない人に通訳のサポートをするなど)
- 多言語での情報伝達について
- 災害情報は刻々と変わります。ご近所さんと情報交換する際に、多言語ツール(翻訳アプリなど)をどのように活用できるか、家族で試してみましょう。
まとめ
災害時、ご近所とのつながりは、家族の安全を大きく高める宝物です。普段からの小さな挨拶や交流が、もしもの時の大きな助け合いにつながります。
ご家族で話し合い、できることから少しずつ、地域との関係づくりを始めてみましょう。それが、家族みんなの安心な未来につながります。
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