家族みんなで決めておく!災害時の「待ち合わせ場所」と安全な行き方
もしもの時、家族が離れていたら?「わが家の待ち合わせ場所」の重要性
大きな地震や台風などの災害は、いつ起こるかわかりません。災害が発生したとき、家族がみんな一緒に家にいるとは限りません。子供は学校や保育園、お父さんやお母さんは職場、買い物に出かけているなど、家族それぞれが別の場所にいる可能性があります。
もし、このような時に災害が起こり、電話やインターネットが使えなくなったら、家族と連絡を取るのが難しくなります。お互いがどこにいるか、無事かどうかわからないと、とても心配になります。
そこで大切なのが、災害発生時に家族が離れ離れになった場合でも、安全に再会できる場所を前もって決めておくことです。これを「待ち合わせ場所」と呼びます。家族みんなでこの場所と、そこへ行くためのルールを決めておくことで、もしもの時も落ち着いて行動でき、再会までの不安を減らすことができます。
「わが家の待ち合わせ場所」を決めるステップ
家族みんなで「わが家の待ち合わせ場所」を決めるには、いくつかのステップがあります。話し合いながら進めてみましょう。
ステップ1:なぜ場所を決める必要があるのか、家族みんなで確認する
まずは、なぜ待ち合わせ場所を決めることが大切なのかを、家族みんなで話し合いましょう。「災害の時は電話がつながらなくなるかもしれない」「お互いの場所が分からないと心配だから、会える場所を決めておこう」など、具体的に考えてみてください。子供にも分かりやすく説明することが大切です。
ステップ2:どんな場所を選ぶ?選び方のポイント
待ち合わせ場所は、安全で、家族みんなが行きやすい場所を選ぶことが重要です。いくつかポイントがあります。
- 安全な場所であること:
- 建物が倒壊する危険が少ない場所(広い公園や広場、丈夫な公共施設など)
- 火災から離れている場所
- 津波や洪水の浸水想定区域ではない場所(ハザードマップで確認しましょう)
- 分かりやすい場所であること:
- 家族みんなが知っている、有名な場所
- 大きな木、お店、駅、特定の建物の前など、目印になるものがある場所
- 子供にも説明しやすく、一人でもたどり着けるような場所
- 家からの距離:
- 歩いて行ける距離であること(交通機関が止まる可能性が高いです)
- 自宅から近すぎず、遠すぎず、安全に行ける範囲
- 複数の候補を持つ:
- 自宅から近い場所(第一待ち合わせ場所)
- 自宅から少し離れた場所(第一の場所に行けない場合の第二待ち合わせ場所)
- 学校や職場の近くなど、家族が普段いる場所から行きやすい場所も考えておくと良いでしょう。
具体的な候補としては、近所の大きな公園、地域の指定緊急避難場所になっている学校や公民館、広い駐車場のコンビニ、駅の改札口などが考えられます。
ステップ3:家族で場所を確認・共有する
候補地が決まったら、家族みんなで実際に行ってみて、場所を確認しましょう。
- 地図やスマートフォンの地図アプリで場所を示し、確認し合います。
- 場所の写真を撮っておくと、後で見返すのに役立ちます。
- 場所の周りの目印になるものを覚えましょう。
- 子供には、目印を見つけながら一人でそこまで行けるか、一緒に歩いてみるのも良い練習になります。
ステップ4:もしもの時の「行くためのルール」を決める
待ち合わせ場所を決めるだけでなく、そこへ安全に行くためのルールも一緒に決めましょう。
- 安全な経路を確認する: 待ち合わせ場所まで、どのような道を通るのが安全か、家族みんなで考えておきましょう。倒壊の危険がある建物の近くや、浸水しやすい道は避けます。ハザードマップで危険な場所を確認することも大切です。
- 危険回避の行動: 揺れがおさまってから行動を開始するなど、基本的な安全行動のルールを決めます。
- 一人で行動する場合: 子供や高齢者など、一人で行動することになるかもしれない家族のために、特に注意すべき点(寄り道をしない、知らない人についていかないなど)を繰り返し伝えておく必要があります。
- もし待ち合わせ場所に行けなかった場合: もし、決めた場所が危険になったり、そこまで行くのが難しくなったりした場合のルールも決めておきます。例えば、「〇日経っても会えなければ、△△市の指定避難所で落ち合う」など、別の場所や方法を決めておくと安心です。
家族みんなで話し合い、定期的に確認しましょう
待ち合わせ場所とルールは、一度決めたら終わりではありません。家族の成長や引っ越し、地域の状況の変化に合わせて、定期的に見直すことが大切です。
年に一度、家族みんなで集まって「防災会議」を開き、決めた場所やルールを再確認したり、変更点がないか話し合ったりする時間を持つことをおすすめします。子供にも「わが家の約束」として覚えやすいように工夫すると良いでしょう。
待ち合わせ場所を決めることは、災害時に家族が安心して行動するための一歩です。家族みんなで協力して、安全な再会への準備を進めましょう。