もしもの災害時、あふれる情報から家族を守る!信頼できる情報源の見つけ方
もしもの災害時、あふれる情報から家族を守る!信頼できる情報源の見つけ方
大きな地震や台風などの災害が起きた時、わたしたちはたくさんの情報を必要とします。「いま、何が起きているのか?」「家族は安全か?」「どこに避難すれば良いのか?」など、状況を知るための情報が、命を守る行動につながります。
しかし、災害時には、正しい情報だけでなく、間違った情報(デマ)も広がりやすいものです。あふれる情報の中から、何が正しくて何が間違っているのかを見分けることは簡単ではありません。特に、日本語があまり得意でない家族がいる場合は、情報収集や内容の理解がさらに難しくなることもあります。
このページでは、もしもの災害時に、あなたとあなたの家族が正しい情報にアクセスし、安全な行動をとるための方法についてご紹介します。
なぜ災害時の情報収集が大切なの?
災害時には、状況が刻一刻と変化します。正しい情報を早く知ることで、以下のような大切な行動につながります。
- 身の安全を守る: 建物の倒壊、火災、津波、浸水など、迫りくる危険から逃れるための判断ができます。
- 家族の安否確認: 離れている家族と連絡を取り合うための情報や手段を知ることができます。
- 避難行動: 安全な避難場所や避難経路、避難のタイミングを知ることができます。
- 生活に必要な情報を得る: 食料や水、電気などのライフラインの状況や、支援物資、医療情報などを知ることができます。
- デマに惑わされない: 不確かな情報に不安になったり、間違った行動をとったりすることを防ぎます。
信頼できる情報源はどこ?
災害時に最も信頼できる情報は、公的機関や自治体、インフラ企業などから発信されるものです。これらの機関は、正確な情報を迅速に伝える責任があります。
信頼できる主な情報源の例
- 気象庁(きしょうちょう): 地震、津波、台風、大雨などの気象に関する情報や警報、注意報を発表します。
- 内閣府(ないかくふ): 国全体の防災に関する情報や方針を発信します。
- お住まいの都道府県・市区町村(じちたい): 地域の避難指示や避難所の開設情報、被害状況、支援情報など、地域に密着した大切な情報を提供します。自治体のウェブサイトやSNS、防災無線などを確認しましょう。
- 警察(けいさつ)・消防(しょうぼう): 災害現場の状況や交通規制などの情報を提供します。
- 電力会社(でんりょくかいしゃ)、ガス会社(ガスかいしゃ)、水道局(すいどうきょく): ライフラインの停止状況や復旧の見込みなどの情報を提供します。
- NHKなどの公共放送や大手報道機関: これらのメディアは、公的機関からの情報を元にニュースを伝えます。ただし、情報の正確性を確認するために、複数の情報源を比較することも大切です。
情報を得るための具体的な方法
これらの情報源からの情報は、主に以下のような方法で確認できます。
- インターネット(ウェブサイト、SNS): 公的機関や自治体の公式ウェブサイトは、最新情報がまとめて掲載されています。TwitterやFacebookなどのSNSでも、公式アカウントが情報を発信することがあります。
- テレビ・ラジオ: 災害時には特別番組が組まれ、最新の情報が伝えられます。高齢の家族など、インターネット利用が難しい家族にも有効な手段です。
- 防災アプリ・防災メール: スマートフォンにインストールしておくと、緊急地震速報や津波警報、避難指示などの情報がプッシュ通知で届きます。多言語対応のアプリもあります。
- 防災無線(ぼうさいむせん): 地域に設置されたスピーカーから、避難指示などの情報が流れます。
- 広報誌・ちらし: 災害後には、自治体から重要な情報がまとめられた紙媒体が配布されることもあります。
多言語で情報を見つけるには?
「やさしい日本語・多言語防災ナビ」のような多言語対応のサイトの他、自治体や公的機関も外国人向けの多言語情報を提供しています。
- 自治体の多言語対応サイト: 多くの自治体は、防災情報の一部を英語、中国語、韓国語、ベトナム語など、様々な言語で提供しています。お住まいの自治体のウェブサイトを確認してみましょう。
- 多言語対応防災アプリ: 国が提供する「Safety tips」や、自治体や民間が提供するアプリには、多言語で災害情報を受け取れるものがあります。
- NHK World-Japan: 外国人向けのテレビ・ラジオ放送やウェブサイトで、多言語による日本のニュースや災害情報を提供しています。
- 外国人支援団体: 地域の国際交流協会や外国人支援団体が、多言語で情報提供や支援活動を行っている場合があります。
日頃から、どの情報源が多言語に対応しているかを確認しておくと安心です。
デマに惑わされないために!正しい情報を見分けるポイント
災害時は、SNSなどで根拠のない情報やデマが広がりやすくなります。誤った情報に振り回されないために、以下の点に注意しましょう。
- 情報源を確認する: その情報は、どこから発信されていますか?公的機関や大手メディアなど、信頼できる情報源ですか?個人が発信している情報や、情報源が不明確な情報は注意が必要です。
- 複数の情報源で確認する: 一つの情報源だけでなく、いくつかの信頼できる情報源(自治体サイト、テレビなど)で同じ情報が伝えられているか確認しましょう。
- 日付や時間を確認する: 古い情報が最新の情報のように拡散されることがあります。情報がいつ発信されたものかを確認しましょう。
- 感情的な表現に注意する: 「大変だ!」「早く逃げて!」といった感情を煽るような情報や、正確性に欠けるうわさ話には注意が必要です。
- 「〇〇らしい」「〜と聞いた」といったあいまいな表現に注意する: 根拠が不明確な伝聞情報はデマの可能性があります。
もし、これがデマかもしれない、と不安になったら、まずは落ち着いて信頼できる情報源を確認することが大切です。
家族みんなで情報を共有しよう
あなた自身が正しい情報を得られても、日本語が十分でない家族(子供や高齢者など)に伝わらなければ意味がありません。家族みんなで情報を共有するための工夫をしましょう。
- 家族で一緒に情報源を確認する練習をする: 普段から自治体のウェブサイトや防災アプリを家族で見たり、一緒にテレビの防災ニュースを見たりして、「この情報源は信頼できる」という共通認識を持つようにしましょう。
- 簡単な言葉で伝える: 難しい専門用語を使わず、誰にでも分かる簡単な言葉で状況や必要な行動を伝えましょう。
- 視覚的な情報を活用する: 字を読むのが苦手な家族には、地図、図、写真などを見せながら説明すると分かりやすい場合があります。「このマークが出たら危ない」「この絵の場所が避難所だよ」など、絵やアイコンで示すことも有効です。
- 大切な情報をメモする: 避難所の場所や家族の集合場所、災害用伝言ダイヤルの使い方など、大切な情報を紙に書いて、家族が見やすい場所に貼っておきましょう。
- 家族での情報共有のルールを決める: 「災害が起きたら、まず家族の安否確認をする」「〇〇のアプリで情報を見る」など、家族で情報共有のルールを決めておくと、混乱時にも落ち着いて行動しやすくなります。
まとめ
災害時、正確な情報はあなたと家族の命を守るための大切なツールです。あふれる情報の中から信頼できるものを選び、家族みんなで共有する準備をしておくことは、非常に重要です。
日頃から、お住まいの地域の自治体や気象庁など、信頼できる情報源を確認する習慣をつけましょう。そして、多言語対応の情報源や、家族にとって分かりやすい情報伝達の方法についても、家族みんなで話し合っておくことをおすすめします。
この情報が、もしもの時のあなたの備えに役立つことを願っています。