もしも水が使えなくなったら?家族みんなで取り組む災害時の衛生対策
災害時、水が使えなくなったら?家族みんなで取り組む衛生対策の重要性
大きな地震や台風、洪水などの災害が起きると、電気やガスだけでなく、水道も使えなくなることがあります。水が止まってしまうと、飲み水だけでなく、トイレやお風呂、手洗い、洗濯など、普段当たり前に使っている水が使えなくなり、生活は大きく変わります。
特に心配なのは、衛生状態が悪くなることで病気が広がる可能性があることです。感染症を防ぎ、家族みんなの健康を守るためには、水が使えなくなった状況でも、できる限りの衛生対策を行うことがとても大切です。
このためには、家族の一人ひとりが「どうすれば清潔に過ごせるか」を知り、協力して取り組むことが必要です。日本語があまり得意ではない家族にも伝わるように、具体的にどのような対策ができるのか、事前に準備しておくことは何かを一緒に確認しておきましょう。
断水・停電時にもできる!家族みんなで実践する衛生対策
水が使えなくなった状況でも、工夫することで清潔を保つことができます。家族みんなで知っておき、実践できるように準備しましょう。
1. 手洗いについて
手をきれいにすることは、感染症を防ぐための基本です。水がなくても、以下のような方法で手をきれいにできます。
- アルコール消毒液を使う: 手のひらに数滴たらし、よくこすり合わせます。水は必要ありません。持ち運びやすい小さなボトルもあると便利です。
- ウェットティッシュを使う: 手についた汚れを拭き取ることができます。消毒効果のあるタイプもあります。
- 少量の水と石鹸を使う: ペットボトルなどにためておいた少量の水を使い、石鹸で手洗いすることもできます。使った水はすぐに捨てるか、他の用途(トイレなど)に使い回すようにしましょう。
特に食事の前や、トイレを使った後、外から帰った後には、必ず手をきれいにすることを家族みんなの習慣にしましょう。
2. トイレについて
断水すると、家庭のトイレは水を流せなくなります。しかし、排泄を我慢することは健康に良くありません。
- 非常用トイレ(携帯トイレ)を用意する: 便器にかぶせる袋と、排泄物を固める凝固剤がセットになったものです。使い方は簡単で、袋をセットして排泄し、凝固剤で固めて袋を縛るだけです。専用のゴミ袋もセットになっていることが多いです。
- 既存の便器を代用する: 既存の洋式便器の中に大きなビニール袋(二重にすると安心)をセットし、その中に新聞紙や吸水シートなどを敷いて代用することもできます。使用後に凝固剤や猫砂などを振りかけると、臭いを抑えることができます。
- 処理と保管: 使用済みの袋はしっかりと口を縛り、密閉できるゴミ箱やバケツに入れて保管します。臭いが漏れないように注意が必要です。自治体の指示に従って適切に処分してください。
子供や高齢者にも分かりやすいように、非常用トイレの使い方を家族みんなで練習しておくと良いでしょう。
3. 体を清潔に保つ方法
お風呂に入ることが難しくても、体をきれいに保つ方法はあります。
- 体を拭くシート(清拭シート)を使う: 体全体を拭くことができる、大きくて厚手のウェットティッシュのようなものです。汗や汚れを拭き取り、さっぱりさせることができます。
- ドライシャンプーを使う: 水を使わずに髪の汚れや油分を取り除くことができるスプレーや泡状の製品です。頭皮の不快感を和らげることができます。
- お湯を沸かせる場合: 少量を沸かしてタオルを湿らせ、体を拭くこともできます。
これらのアイテムは、普段の生活ではあまり使わないかもしれませんが、災害時には非常に役立ちます。
4. その他の衛生対策
- マスクの着用: 避難所など、多くの人が集まる場所では、感染症予防のためにマスクを着用することが推奨されます。ホコリや乾燥からも喉を守ります。
- 換気: 可能であれば、窓を開けて室内の空気を入れ替えましょう。
- ゴミの処理: 災害時はゴミ収集がストップすることがあります。生ゴミは特に臭いや虫の原因になりやすいので、できるだけ乾燥させたり、密閉できる袋に入れたりして保管します。自治体の指示に従いましょう。
家族みんなで防災対策を進めるために
災害時の衛生対策は、特別なことではなく、日頃から少しずつ準備しておくことが大切です。
- 家族で話し合う: 「もし水が使えなくなったらどうする?」と、家族みんなで話し合いましょう。子供にもわかる言葉で説明し、一緒に考える時間を持つことが重要です。
- 備蓄リストを作る: 手洗い用のウェットティッシュや消毒液、非常用トイレセット、体を拭くシートなど、衛生対策に必要なものをリストアップし、まとめて置いておきましょう。どこに何があるか、家族みんなで共有しておくと、いざという時にすぐに取り出せます。
- 必要なものを準備する: リストに基づいて、少しずつ準備を進めます。ローリングストック法(使った分だけ買い足す方法)を取り入れると、無理なく続けられます。
まとめ
災害が発生し、水が使えなくなっても、落ち着いて行動するために、事前の準備と家族の協力は不可欠です。今回ご紹介した衛生対策を参考に、ぜひご家庭での防災対策に取り入れてみてください。
家族みんなで一緒に考え、準備し、もしもの時に助け合うことが、何よりも大切な防災対策です。地域に住む他の外国人住民の方とも情報を共有しながら、みんなで安心して暮らせるように備えましょう。