もしもの通信障害に備える!家族みんなで確認する災害時の連絡方法と情報収集
はじめに:災害時、つながる安心を家族みんなで守る
大きな地震や台風、大雨などの災害が起こると、電気やインターネットの回線が止まったり、たくさんの人が同時に電話やインターネットを使ったりすることで、通信が難しくなることがあります。
スマートフォンや携帯電話は、普段の生活でとても大切ですね。家族や友達と連絡を取ったり、必要な情報を調べたりするために欠かせません。もし災害時にこれらの通信手段が使えなくなったら、家族が今どこにいるのか、安全なのか分からず、とても不安になります。
しかし、事前にいくつかの方法を知って準備しておけば、もしもの時でも家族と連絡を取り合ったり、必要な情報を手に入れたりすることができます。この記事では、災害が起きて通信が難しくなった場合に、家族みんなでどうやって連絡を取り、情報を集めるかについて、具体的な方法をご紹介します。
なぜ災害時に通信が難しくなるのか
災害時に通信が難しくなる理由はいくつかあります。
- 停電や回線の故障: 地震や台風で電気が止まったり、通信ケーブルが切れたりすると、基地局が動かなくなったり、インターネット回線が使えなくなったりします。
- アクセス集中: 多くの人が一斉に電話をかけたり、インターネットを使ったりすることで、回線が混雑し、つながりにくくなります。
- 建物の倒壊: 建物が壊れることで、近くにある通信設備が影響を受けることもあります。
このような状況でも、家族みんなで安全に過ごすためには、「もしも使えなくなったらどうするか」を考えておくことが大切です。
家族みんなで決めておく「災害時の連絡ルール」
災害が起きた時に、家族がそれぞれ違う場所にいることもあります。学校、会社、買い物中など、一緒にいないかもしれません。そんな時のために、事前に家族みんなで連絡の取り方や会う場所などを決めておくことが重要です。
1. 連絡が取れなくなった時の「集合場所」を決める
家が安全でなくなった場合や、家族がバラバラの場所にいる場合に、どこに集まるかを事前に決めておきましょう。
- 一時集合場所: 家の近くの公園や広場など、安全な場所。
- 広域集合場所: もし家が被災してしまった場合や、一時集合場所にも行けない場合に集まる、少し離れた場所(親戚の家、駅の近く、公共施設など)。
集合場所は、家族みんなが知っている、分かりやすい場所を選びましょう。地図で確認したり、実際に歩いてみたりするのも良い練習になります。
2. 安否確認の方法を決める
電話がつながりにくい状況でも、安否を確認できる方法があります。
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災害用伝言ダイヤル「171」を使う:
- これはNTTが提供する声の伝言板です。自分の安否情報を音声で録音したり、家族が残したメッセージを聞いたりすることができます。
- 使い方は「171」にダイヤルし、案内に従って操作します。録音や再生には、家族の電話番号(市外局番から)が必要です。
- 災害が発生していなくても、毎月1日や防災週間などに体験利用ができます。家族みんなで練習しておくと安心です。
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災害用伝言板(web171)を使う:
- これはインターネット上で安否情報を文字で登録・確認できるサービスです。「171」と同様に、家族の電話番号を使ってメッセージを登録したり、家族からのメッセージを確認したりできます。
- パソコンやスマートフォンから利用できます。電話回線よりインターネット回線の方がつながりやすい場合があります。
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携帯電話会社の災害用伝言板サービスを使う:
- 各携帯電話会社も、独自の災害用伝言板サービスを提供しています。自分が契約している会社のサービスについて調べておきましょう。
これらのサービスは、家族みんなで使い方を知っておき、緊急時にすぐに使えるようにしておくことが大切です。子供や高齢者にも分かりやすく説明し、可能であれば一緒に練習してみましょう。
スマートフォンが使えなくなった時の準備
スマートフォンが災害時に使えなくなっても、情報収集や連絡に役立つ方法があります。
1. スマートフォンの充電方法を確保する
停電で電気が使えなくなると、スマートフォンの充電ができなくなります。
- モバイルバッテリー: 事前に充電しておいたモバイルバッテリーを用意しておきましょう。容量が大きいものが安心です。
- 手回し充電器付きラジオ: ラジオとしても使え、手回しでスマートフォンを充電できるものもあります。
- 車のシガーソケット: 車を持っている場合は、車内で充電できる場合があります。
- 電池式の充電器: 単三電池などを使って充電できる充電器もあります。乾電池の備蓄も忘れずに。
2. 公衆電話の使い方を知っておく
災害時には、NTTが公衆電話を無料で使えるようにすることがあります(災害時優先電話)。
- 自宅や職場の近く、避難場所の近くに公衆電話があるか確認しておきましょう。
- 硬貨がなくてもかけられる場合が多いですが、10円玉や100円玉を少し準備しておくと、普段も使えて便利です。
3. アプリケーションの確認
もし通信ができる場合のために、役立つアプリを入れておきましょう。
- 多言語対応の防災情報アプリ: 自治体が提供しているものなど、プッシュ通知で情報を受け取れるものがあると便利です。
- 安否確認アプリ: 家族間で位置情報を共有できるアプリなど。ただし、通信が必須なので、代替手段も考えておく必要があります。
災害時の情報収集方法
通信が難しい状況でも、安全のために正しい情報を集めることが重要です。
1. ラジオを活用する
災害時は、ラジオ放送が重要な情報源となります。停電しても電池や手回しで使えるラジオを用意しておきましょう。
- 天気予報、災害の状況、避難情報、交通情報など、様々な情報が得られます。
- 地元のコミュニティFMなど、地域の細かい情報を流す放送局もあります。
2. テレビを見る
電気が復旧すれば、テレビからも情報が得られます。避難所などでもテレビが見られる場合があります。
3. 自治体からの情報
自治体は、広報誌や避難所の掲示、防災無線などで情報を提供します。避難所では、自治体の職員から直接話を聞くこともできます。
4. 信頼できるSNSやウェブサイト
インターネットが使える状況であれば、公的機関(気象庁、自治体、警察、消防など)の公式SNSアカウントやウェブサイトから情報を集めましょう。不確かな情報(デマ)に注意し、必ず信頼できる情報源を確認してください。
5. 避難所や地域での情報共有
避難所では、他の避難者や運営スタッフから情報を得ることができます。また、地域の中で助け合いながら情報を共有することも大切です。
家族みんなで取り組む:子供や高齢者への伝え方
災害時の連絡方法や情報収集について、家族の全員が理解しておくことが重要です。特に日本語の理解が十分でない家族や、小さなお子さん、高齢者には、分かりやすく伝える工夫が必要です。
- 絵や写真を使う: 災害用伝言ダイヤル「171」の使い方などを、絵や図にして説明すると理解しやすくなります。
- 一緒にやってみる: 実際に「171」の体験利用を一緒にやってみたり、公衆電話のある場所まで一緒に歩いてみたりしましょう。
- 簡単な言葉で繰り返し説明する: 一度で覚えられなくても、根気強く、簡単な言葉を選んで説明しましょう。
- 「こうなったら、こうしようね」と具体的に話す: 「もし、家が揺れてお母さんと離れてしまっても、慌てないで。まずは〇〇小学校に行こうね。」のように、具体的な状況と行動を結びつけて話すと、子供も行動をイメージしやすくなります。
- 不安を煽らないように注意する: 怖い話だけでなく、「練習しておけば大丈夫だよ」「もしもの時も、これで連絡できるから安心だよ」など、安心につながる言葉を添えましょう。
まとめ:備えあれば憂いなし
災害はいつ起こるか分かりません。もしもの時に、家族の安全を確認し、必要な情報を得るためには、事前の準備がとても大切です。
この記事でご紹介した「災害時の連絡ルール決め」「通信手段の代替策」「情報収集方法」について、ぜひ家族みんなで話し合い、準備を進めてみてください。特に、災害用伝言ダイヤル「171」の使い方は、体験利用期間に練習しておくと、いざという時に慌てずに使えます。
家族で定期的にこれらの準備について確認し、避難訓練と合わせて行うことで、より安心な防災対策につながります。